英インフレ上振れ懸念、利下げ段階的に=ロンバルデリ中銀副総裁
[ロンドン 25日 ロイター] - イングランド銀行(英中央銀行)のロンバルデリ副総裁は25日、インフレ率が英中銀の予想より低くなるのではなく、高くなるリスクをより懸念していると述べ、利下げは緩やかなペースで行うべきとの見解を示した。 キングス・ビジネス・スクール主催の会議で「インフレの下振れリスクと上振れリスクの可能性はおおむね均衡している」との見方を示した。 「しかし、現時点では上振れリスクが現実化した場合の結果をより懸念している。必要とされる政策対応のコストが大きいからだ」と説明した。同氏の講演は7月の副総裁就任後初めて。 賃金の伸びが3.5─4%程度に減速し、インフレ率が目標の2%ではなく3%程度で安定するというシナリオが企業や消費者の予想として定着すれば、対応するコストがさらに大きくなるだろうと述べた。 一部のエコノミストは、英国のインフレ率が2025年初頭に3%まで上昇する可能性があると予想している。 一方、ラムスデン副総裁は先週、インフレ率が予測を下回る可能性があり、より速いペースでの利下げが必要になり得るとの見方を示した。 ロンバルデリ氏は、先週発表された英購買担当者景気指数(PMI)速報値は国内経済の減速を示唆しているとしながらも、単一のデータから強いシグナルを受け取ることはないと述べた。 政策の効果が現れるまでに時間がかかることを踏まえ、景気が減速する方向に動いた場合に、対応が遅れないことが重要と指摘した。