ロシア、弾道弾発射で米側に事前通知 米国はウクライナに対人地雷供与へ
【ワシントン=坂本一之】米国防総省のシン副報道官は21日の記者会見で、ロシア軍によるウクライナ東部ドニプロを標的にしたミサイル攻撃に関し、中距離弾道ミサイル(IRBM)が使われたと述べた。ロシア側から中距離弾道ミサイル発射について、当局間の枠組みを通して事前通知があったと説明した。 シン氏は、中距離弾道ミサイルについてロシアの大陸間弾道ミサイル(ICBM)の「RS―26ルベジ」を基にした兵器で、「戦場で使用が確認されるのは初めて」と説明した。核弾頭の搭載が可能との分析も示した。 ロシア軍が「新たなタイプの殺傷兵器」を戦場で使用したとして懸念を表明。また、ロシアが北朝鮮兵を投入し戦争をエスカレートさせていると非難した。 ロシア軍がICBMを発射したとウクライナが発表したことに関しては、初期段階の分析との見方を示した。IRBMとICBMは「似たような飛行経路で、高い軌道を描くことができる」などと説明した。 一方、オースティン米国防長官は20日、ウクライナ軍事支援を巡り、安全性の高い対人地雷を供与し「ロシア軍の動きを遅らせる」考えを示した。訪問先のラオスで記者団に述べた。 来年1月に任期満了を迎えるバイデン政権は、ウクライナが米国製の長射程兵器でロシア領内を攻撃することを容認するなど支援強化を急いでいる。