一線越えたテーマ「托卵」でエンタメにリアルを追求…フジ系ドラマ「わたしの宝物」プロデューサー三竿玲子氏に聞くヒットの秘けつ
フジテレビ系ドラマ「わたしの宝物」(木曜・後10時)が、話題を呼んでいる。「昼顔~平日午後3時の恋人たち~」(14年)、「あなたがしてくれなくても」(23年)に続く“3部作”を描いたプロデューサーの三竿玲子氏(46)に、ヒットの秘けつを聞いた。 【写真】「わたしの宝物」出演のイケメン俳優「ビジュ爆発」父は大物タレント 「托卵(たくらん)」。夫以外の男性との子供を、夫との子供と偽って産んで育てる。そのテーマを描くことは、三竿氏にとって「悲願」でもあった。 「『昼顔』の結末を考えている中で出会ったワードで。すごい言葉だなと。ゴールデン帯のドラマにするのは難しいかと思っていましたけど、ずっと引っかかっていて。『昼顔妻』というフレーズを見た時と同じような衝撃でした」 一線を越えたテーマは、大きな反響を呼んでいる。TVerのお気に入り登録者数は、今クール最高の117万超。ヒットの要因を聞くと、「何でしょうね」と首をかしげながらも言葉を重ねた。「エンタメではありますけど、視聴者の方が『これ隣の人の話じゃないかな』とか『うちは、大丈夫かな』とか。もしかしたら…というモノを入れないと自分ごとにならないので」 「エンタメ」に「リアル」を追求する姿勢が、視聴者の目をくぎ付けにした。 「婚外恋愛をテーマにする時、それを称賛するつもりはなくて。ただ普段は家でご飯をつくり、旦那さんを待つという方が、日常で経験しないことを、エンタメの世界では夢を見ていいのではと」。そう言いつつも、“流儀”がある。「不倫を肯定するつもりはないですし、罪を犯したら罰を受ける。奇麗事で終わらせたくない。ちゃんと背負わせることは意識しています」 三竿氏の「3部作」は完結。続きは…。 「世の中には『リターンズ』という言葉もありますけどね(笑)。でも今回、全部を詰め込むつもりです。次は、キラッキラなピュアなラブストーリーをやります。皆に鼻で笑われますけどね(笑)」 余談で聞いてみた。「実際、周りに(托卵の方は)いらっしゃるんですか?」 「私の友達に…っていう方は、2人いましたね。隠れているだけで、全体の10%くらいいるんじゃないかと産婦人科の先生がおっしゃっていたという話も聞いたことがあります。昔と違って、今は血液型検査も何かないとしないじゃないですか」 取材後。帰宅するなり、娘の顔をマジマジと確認したのは言うまでもない。(田中 雄己)
報知新聞社