タイミー「7月上場」報道。大学生起業から約6年、ユーザー数700万人超え
スポットバイトのマッチングアプリを運営するタイミーが7月にも東京証券取引所に新規上場(IPO)を目指していると、6月11日、ロイター通信が報じた。 【全画像をみる】タイミー「7月上場」報道。大学生起業から約6年、ユーザー数700万人超え 2018年8月にサービスを開始したタイミーは、当時・立教大学生だった小川嶺氏が起業した。面接なしで短時間で働ける気軽さが受け、ユーザー数は700万人を突破、国内では最大のスポットバイトのマッチングサービスとなった。 コロナ禍では、飲食業など主要な利用企業のアルバイト需要が激減したが、その後は物流業などの求人ニーズを取り込み、2021年10月期第3四半期(5~7月)には掲載求人数が前年比3.6倍になるV時回復を果たしていた。 事業拡大のため資金調達を続けており、借入を含む累計調達額は約403億円。 ロイター通信の報道によると、IPOでは時価総額1500億円程度を目指すとしている。 Business Insider Japanの取材に対して、タイミー広報は「お問い合わせいただいた件について、当該情報は当社から発表したものではありません。開示すべき事案等が発生した場合には、速やかに公表いたします」と回答した。 関連記事:すきまバイト・タイミーはなぜ“異例の183億調達“ができたのか?25歳CEOが語った成長戦略(2022年11月16日) 関連記事:元DeNA社長の守安氏、タイミーCOOを半年で辞任。「コンプライアンス規程違反」と公表(2022年3月31日) 関連記事:すきまバイト・タイミーが130億円調達。テレビCM2倍も「上場は急がない」(2023年9月25日)
メルカリにリクルート、dipなど大企業参入
スポットバイト市場を巡っては、これまではタイミー「1強」状態が続いていたが、ここに来て大手起業の参入が相次ぎ競合環境は過熱している。 メルカリは2024年3月、スポットワークのマッチングサービス「メルカリ ハロ」を発表した。メルカリの発表によると、サービス開始から5月末時点で、登録者数が500万人を突破したとしており、タイミーを猛追している(メルカリ ハロの利用規約に同意した登録者の累計)。 すでにアルバイト求人の分野で、顧客網・ユーザー網を持つ人材大手企業も参入する。 リクルートは2024年秋に、スポットワークに特化した新たな求人サイト『タウンワーク スキマ (仮称)』を開始すると発表している。 また「バイトル」などを展開する人材サービス大手のdip(ディップ)も、2024年秋にスポットバイトサービスへの参入を表明している。 dipの冨田英揮社長は2024年5月、Business Insider Japanの取材に次のように答えている。 「スポットワークの競争は激しいが、例えばタイミーを利用している企業の多くが、うちとも取引をしている。スポットワークの市場を一気にひっくり返したい」
タイミーも事業拡大を目指す
一方でタイミーは、スポットバイトから事業の拡大も進めている。 2024年2月には、タイミーユーザーに対して、正社員求人を紹介する新サービス「タイミーキャリアプラス」の開始を発表した。 このサービスでは、正社員として働くことを希望するタイミーユーザーに、過去のアルバイト勤務での評価や獲得スキルを参考に、タイミー利用企業からの正社員求人を紹介する。正社員として雇用されれば、タイミーは人材紹介料として、紹介先の企業から想定年収の30%を受け取るビジネスモデルだ。 競合する大企業たちをどう振り切るかが注目される。
横山耕太郎