５回から３番手で登板する宮西尚生（カメラ・岡野　将大）

◆イースタン・リーグ　日本ハム８―３ＤｅＮＡ（２３日・鎌ケ谷） 　日本ハム・宮西尚生投手（３８）が２軍戦で登板し、１回１安打２奪三振の無失点投球を披露した。ＤｅＮＡ・筒香嘉智外野手との対決は四球となったが、走者を背負いながらも要所で熟練のマウンドさばきを見せた。 　点は与えない。ベテランがギアを上げた。３点リードの５回２死満塁。追い込んでから最後は外角低めのスライダーで高見沢を空振り三振に封じた。先頭から四球、左前打で無死一、二塁とピンチを背負ったが、蝦名を落差抜群のチェンジアップで空振り三振、続く松尾を二ゴロと丁寧にアウトを重ねた。「今日は全然アカンかった」と首を横に振りながらも、きっちりとスコアボードにゼロを刻んだ。 　この日、球場の視線が一気に集中したのは２死一、三塁で迎えた筒香との対決だった。カウント３ボールから１３９キロの直球で空振りを奪うも、最後は直球がわずかに外に外れた。マウンド上で悔しそうに唇をかみながら「やっぱり振れているし、雰囲気がある。甘くなったら（長打や一発を）いきそうな雰囲気がある。（１軍でも）打つんちゃうかな」と肌で感じた“威圧感”を表現した。 　１７年目の今季はキャンプから２軍暮らしが続く中でも、常に若手の手本となりながら先頭で汗を流している。実戦では金子千尋２軍投手コーチと改良に取り組んだチェンジアップに特に手応えを感じており「今は数値もすごくいいし、投げどころもいい」。ファームではここまで６試合に登板し、５回１／３を投げて８Ｋと高い奪三振率を誇っている。 　進化を追い求める姿勢を含めて高く評価している金子コーチは試合後「今日は宮（西）でしょ。ぼくはアドバイスしましたけど、本当にちょっとしたことで、大したことは言ってないですよ。それを実践できる宮西がやっぱりすごいんです」と改めて脱帽した。残り７に迫る前人未到の通算４００ホールドを狙う今季。６月に３９歳を迎える左腕は、来たるべき時に備えて２軍で爪を研いでいる。