【解説】北朝鮮“衛星ロケット”を事前通告…狙いは? 専門家「国際ルールを守ることで…」
日テレNEWS
22日未明、北朝鮮が日本に対して「衛星ロケットを打ち上げる」と事前通告を行いました。どんな狙いがあるのでしょうか。 まずは、どのような形の通告だったのか説明していきます。22日午前0時26分、北朝鮮の船舶の安全に関する業務を行う水路当局から日本の海上保安庁の海洋情報部に対して連絡がありました。
連絡の方法はメールで、冒頭に書かれていたのは「黄海」「東シナ海」など、打ち上げる方向の大まかな場所でした。そして、打ち上げるのは「衛星ロケット」。人工衛星のことが書かれていました。 打ち上げを行うと予定している期間も書かれていて、日本時間の今月24日(木)午前0時から31日(木)午前0時の間です。
そして、打ち上げる方向の緯度経度も示されていました。朝鮮半島と中国の間にある「黄海」と、その南側の「東シナ海」。そして「フィリピン・ルソン島の東」。この3つの地点で、落下物などの影響がある可能性があると通告してきました。 日本の排他的経済水域の外側ですが、沖縄県先島諸島の上空を通過する可能性もあります。この通告を受けて海上保安庁は、これら3つの海域に航行警報を出しました 。 ここで22日の「知りたいッ!」ポイントは―― ◇“事前通告”狙いは ◇失敗のリスク 織り込み済み? 以上の2点について詳しくお伝えします。
■24日から31日の間でいつ打ち上げる? 過去の傾向は
事前に日本に通告してきた意味は何なのか。北朝鮮政治が専門の慶応義塾大学・礒崎敦仁教授に聞きました。 まず、日本はアジアなどの海域で軍事演習などを行う場合の調整役を担っている国です。つまり、窓口の日本に通告してきた形です。その裏には、「自分たちは最低限、国際ルールを守っていると示すため」と分析しています。 他国と同じように衛星の打ち上げについて周辺国にアラートを鳴らすことで、「中国など第三国に国際ルールを守っていると説明ができる。『なぜ、北朝鮮だけ駄目なのか』という理論を積み上げている」と指摘しています。