マツタケ大豊作の村、例年の3倍超は「ここ半世紀で最高」の勢い 収穫時期が遅れてさらに「お得」になった事情
長野県内有数のマツタケの産地豊丘村は今シーズン、例年にない豊作に恵まれた。猛暑と雨の影響で不作だった昨年から一転、今年は時期こそ1カ月遅れたが、取扱量は例年の3倍を超える。収穫シーズンはほぼ終えているが、2~4日の3連休には村の道の駅「南信州とよおかマルシェ」でマツタケ入りのコーンスープを無料配布があり、秋の恵みを来場客と分かち合った。 【写真】無料で配られたマツタケ入りコーンスープを味わう
農家が収穫したマツタケを委託販売する飯伊森林組合北部支所(豊丘村)は、2本1組を生育具合に応じて4千~1万円で店頭に並べた。例年、村産マツタケの取扱量は3トン程度。それが今年は10トン超で、ここ半世紀では最高となる勢いだという。
金原史人支所長は、地中で菌が糸を伸ばす時期に雨に恵まれたことが一因では―と分析。また、収穫時期が遅れたことで、例年10月ごろにある関西圏や中京圏のデパートでの「キノコ商戦」とずれたとし、「消費者にはよりお手頃に提供できた」とも話す。
とよおかマルシェはこの3連休に、スライスしたマツタケをまぶしたチーズパンや、マツタケの炊き込みご飯などを販売。数十個が店頭に並ぶと1時間足らずで売り切れる人気だった。細切りのマツタケを具材にしたコーンスープの無料配布では連日長い列ができ、午前中にはなくなっていた。
家族と訪れた飯田市山本の会社員(48)は「マツタケの香りとコーンスープの風味が合っておいしい」と舌鼓を打った。