AIで鋼材の腐食深さ推定 NTT、ドローンと画像認識技術活用
NTTは3日、ドローンで撮影した道路橋の画像から人工知能(AI)が鋼材の腐食の深さを推定する技術の検証を始めたと発表した。 検証は、NTT e-Drone Technologyと埼玉県熊谷市と連携して、同市が管理する実際の道路橋で実施した。 NTTは、ドローンで撮影した道路橋の画像から画像認識AIで腐食を検出して、腐食の深さを自動的に推定する手法を考案。 実証では、画像認識AIで検出した腐食領域と専門の検査員が判断した腐食領域の一致率を確認。推定した鋼材断面の欠損量と同じ場所を超音波装置で計測し、算出した鋼材断面の欠損量との比較を行う。 ドローンと道路橋の撮影距離を常に一定に保つのは難しいため、遠写した粗い画素分解能の画像からでも高精度に腐食の深さを推定できるよう画像認識AIをカスタマイズした。同時に、腐食の深さの推定精度と画素分解能の関係性を明らかにし、撮影距離や撮影機材など運用時のドローンでの撮影条件を定めることで検査方法の実用化を確立したい考え。 NTTアクセスサービスシステム研究所シビルシステムプロジェクトの岡村陽介主幹研究員は「来年2月まで実証を行い実用性を評価し、2025年度に点検支援技術として実地導入を図りたい」と話した。
電波新聞社報道本部