成長を見せているローシャムパーク

［ＧⅡ毎日王冠＝２０２４年１０月６日（日曜）３歳上、東京競馬場・芝１８００メートル］ 【新人記者・栗栖歩乃花のトレセン日記】 　１着馬にＧⅠ天皇賞・秋（１０月２７日＝東京芝２０００メートル）の優先出走権が与えられる毎日王冠。秋のＧⅠシリーズに向けて好スタートを決めたい実績馬が集結しました。今回は、その中でも上位人気になりそうなローシャムパーク（牡５・田中博）の取材をしてきました。 　ローシャムパークは昨年のＧⅢ函館記念、ＧⅡオールカマーの勝ち馬で実績は上位。１３戦６勝で、国内では一度も掲示板から外れたことがありません。安定した成績を誇りますが、他馬に負けない強みがあるのかを田中博調教師に聞いてみると「とにかく一生懸命走るところですね。本当に手を抜かないので。このへんのクラスになると手を抜く馬もそんなにいないんですけど、全力をとにかく常に出し切っていますね。本当に真面目な子ですよ」と教えてくれました。 　ただ「そこが長所でも短所でもあるんですけど」と続けます。真面目が長所になるのは分かりますが、ローシャムパークにとって真面目さがどんな短所になるのでしょうか。それは操縦性への悪影響で、これまで長く「フォームの雑さ」を課題として抱えていたそうです。そこで陣営は「ずっと大ざっぱでは通用できないと思うので、改善に取り組みました」とフォームの矯正に着手。「ハミ受けが悪いので、反り返ったような走りをするタイプですから、そこが少しでも（手綱を）持ったら脚がたまるようになればいいな…と思って取り組んでいます」。持っている力をさらに発揮できるように、稽古をしているそうです。 　続けて「あの前進気勢をうまくためられれば、爆発力に変わるんですけど」と話してくれたように、強みがいい方向に向いたときには最大の力を出せると期待しています。過去にはそんな理想形に近いレースがあったそうで「むらさき賞の時はそれができたレースだったと思うんですよね。タイプ的にはすごい切れ味があるタイプではないと思うんですけど、うまく運べればああいった脚も使える能力があると思っています」と同師。展開などがうまくかみ合えば、その力を出し切れるのではないでしょうか。 「稽古ではできているので、競馬場に行ってどうか」と田中博師は冷静に構えますが、厩舎スタッフが力を入れて改善に取り組み、ローシャムパークもそれに応えて成長を見せてきました。稽古で積み上げたことを実戦で発揮して勝利をつかめるように、応援したいと思います。