仕入れ額は600万円、すべて売りさばいたときの利益は…日本で「200点の羽生結弦グッズ」を買い漁った中国人に見た「転売ビジネスのからくり」
この展覧会に転売目的で来場している客は、彼女だけではなかった。Lはこれまでに、日本人の転売ヤーとみられる来場者も何度も目撃していた。先ほども、過去に限定品の販売会場で何度か顔を合わせている中国人と出くわしたばかりだ。
羽生グッズ転売で300万円の儲けに
この日購入したのは、約200点〆て23万円超。最終日で品切れの商品もあったため、少な目だ。Lがこの展覧会のグッズ売り場での「仕入れ」に費やした金額は、600万円を超えている。 日本国内では、Lのような転売ヤーの存在に業を煮やした羽生ファンたちは、Twitter上で転売品の購入を控えるよう呼びかけあっていた。また、同展の限定グッズを高値で出品したフリマサイトのアカウントが、SNS上で晒されるなどということも行われていた。 確かにLには中国という国外の売り先がある。しかし総額600万円分ものこまごました雑貨がそれほど売れるものなのか……。 結果から言うと、彼女は、20日間で仕入れた羽生グッズを2ヶ月あまりで全て売りさばいた。売上の総額は約800万円。単純計算で200万円を儲けたことになる。しかも彼女は、日本橋髙島屋の後に行われた名古屋と大阪での展覧会にも足を運んで仕入れた約300万円分も完売し、400万円を売り上げた。東京分と合わせて計300万円の儲けである。 Lがこれだけの儲けを出した背景には、“生配信”がある。微博で羽生関連商品に商機があると判断した後、彼の情報を配信するアカウントを中国の若い女性に人気のSNS・小紅書(シャオホンスゥ)で開設。以前から、日本のメディアが取り上げる羽生関連の情報を翻訳して投稿して地道にフォロワーを獲得していった。同時に、羽生特集を組んだ雑誌や、彼の写真が使用されている企業の販促グッズの転売も行っていたのだ。
奥窪 優木/Webオリジナル(外部転載)