JFEスチール、鉄と木材の混合構造建築向け新工法開発
JFEスチールは28日、鋼管柱を木材で耐火被覆する建築用の耐火工法を開発したと発表した。建築業界では、森林循環や建築物への二酸化炭素(CO2)固定化が期待できる木材の活用が注目を集めている。JFEは、鉄骨造に木材を組み合わせ、意匠性の高い建築物に適用できる点などをアピールし、新工法の普及を目指す。 ブランド名「アーキテツト・木耐火柱」として、国土交通相の認定を取得した。 木材の高い断熱性を生かし、柱の耐火被覆材に木材を活用する工法を、山佐木材(本社・鹿児島県)と共同研究を通じて開発した。JFE製の鋼材を使用した鋼管柱に強化石膏ボードと木材を組み合わせることで、2時間の耐火構造を実現。階数の高い建物への適用を可能にした。 木造と鉄骨構造の混構造建物への適用も可能。現在、中高層建築物の木造化では、耐震性など構造上の観点から鉄骨造や鉄筋コンクリート造を組み合わせることが多い。このため木造によって意匠性を高めたくても、構造上の問題から鉄骨造を採用せざるを得ないケースもあった。JFEが開発した工法を使えば、構造と意匠の両立を図ることができる。木材を内装材に使えば、調湿効果やストレス低減効果も得られるという。 JFEは今後、木材を利用した鉄骨構造に関する製品・技術の研究開発を進め、「アーキテツト」シリーズの拡充を目指す。