よくネットで見かける日本の平均年収「458万円」は、「非正規雇用」も含んだ数字と聞きました。「正社員のみ」の平均年収はいくらなのでしょうか?
日本の平均年収は458万円と聞くと、自分の年収と比較してしまう方もいるでしょう。しかし、平均年収には実のところ正社員だけの年収からの平均ではなく、非正規雇用も含まれます。 本記事では、日本の平均年収の仕組みについて解説します。実際の正社員の年収と非正規雇用の年収を知りたいという方もぜひ参考にしてください。 ▼会社員で「年収1000万円」以上の割合は? 大企業ほど高年収を目指せる?
日本の平均年収の計算方法
年収とは、一般的に税金や社会保険料が引かれる前の1年間での総支給額を指します。 では、年収とは実際どのように計算されているのでしょうか。国税庁の「令和4年分民間給与実態統計調査」によると、年収の計算方法は、給与支給総額を給与取得者数で割ったものと記載があります。 同調査では、令和4年の平均年収は457万6000円でした。しかし、この調査の中には正社員だけでなく、非正規雇用(パート・アルバイト)の給与も含まれていることが明記されています。実際の正社員、非正規雇用の平均年収は、以下の通りです。 ・正社員:523万3000円 ・非正規雇用:200万5000円 正社員と非正規雇用の年収には約320万円の差があることが分かります。年収の差がある理由としては、非正規雇用の方は賞与や昇給がない場合が多いことや、勤務時間、日数が少ないことが挙げられます。 そのため、平均年収といえども自分の雇用形態に合わせた年収の確認も必要です。
平均年収を正しく見る方法
平均年収を見ると、その額が実際に支給されるように思う方もいるかもしれません。 しかし、実際のところ平均年収は、年齢や業種などさまざまな要素によって変動します。この章では、平均年収を正しく見るための方法について解説します。 ■年齢・業種・企業規模・勤続年数なども考慮する 平均年収を確認する際は、全体の平均年収だけではなく以下の項目も考慮するとよいでしょう。 ・年齢 ・業種 ・企業規模 ・勤続年数 同調査によると、年齢が上がるにつれて平均年収は上昇傾向にあるようです。さらに、企業規模が大きい会社ほど年収が高く、業種によっても平均年収は異なります。また、一般的に年功序列の会社では、勤続年数が長いほど年収が高くなりやすいです。 ■平均年収だけではなく中央値も確認する 年収の平均値は、企業の中でも高い年収の人がいるとつり上げられる可能性があります。現実的な年収を確認したいときには、中央値を見るとよいでしょう。 中央値とは、数値やデータを大きさ順に並べた際に、ちょうど真ん中にある数値です。平均よりも外れ値の影響を受けづらいため、より正確な数値として考えることができます。 年収の中央値は、企業の平均年齢になったときに実際にもらえる額相当であることが多いようです。そのため、自分がその企業における平均年齢になったときの年収が具体的にイメージできます。平均年収だけでなく、中央値もしっかり確認しましょう。