「ゼロ・デー・オプション」ブーム、暗転の恐れも-MLIV調査
(ブルームバーグ): 最新のブルームバーグ「マーケッツ・ライブ(MLIV)パルス」調査では、ウォール街で2年前に始まった株式オプション「ゼロ・デー・オプション(ゼロDTE=ゼロ・デー・トゥー・エクスピレーション)」の空前のブームがまだ続く余地があることが示唆されたものの、回答者の半分近くがブームはいずれ暗転すると懸念している。
S&P500種株価指数に連動するゼロDTEの想定元本は4月に約8620億ドル(約132兆5000億円)に達し、MLIVパルスの回答者300人のうち90%近くがこのブームは続くと予想。一方、その行方について、着実に普及し続けるのか、それとも悲惨な結末に終わるのか、回答者の意見はほぼ半々に割れている。
投資家が経済や中央銀行の政策を巡る不確実性を乗り切ろうとする中、満期まで24時間未満のゼロDTEはウォール街で最も人気ある取引の一つとなった。昨年の取引量はS&P500種に連動するオプション取引全体の45%を占めた。これは、2022年4-6月(第2四半期)にこの取引が広く利用されるようになる前の約2倍の水準だ。
アナカパ・アドバイザーズのフィル・ペクソック最高投資責任者(CIO)は「アクセスする人がどんどん増えており、取引量が拡大している。今後、さらに普及していくだろう」との見方を示した。
ただ、ブームの大きさが議論を呼んでいる。超短期のオプション取引が株式相場のボラティリティーに影響を及ぼすのではないかとの懸念があるほか、それを活用している個人投資家はおおむね損をしていることが調査結果から読み取れる。
調査参加者の大多数は後者のリスクを認識しており、56%がこのツールについてあまりにも損をしやすいとの見方を示した。しかし、その懸念も個人投資家のゼロDTEへのアクセスを制限するには至っておらず、回答者の76%(そのうちのほぼ3分の2がプロの投資家)はゼロDTEを容易に利用できるようにしておくのは公正なことだと答えている。