「ゼロ・デー・オプション」ブーム、暗転の恐れも-MLIV調査
ゼロDTEは当初、高頻度取引トレーダーが賭けやヘッジのために利用していたが、洗練されたクオンツ専門家などの間でも人気が高まりつつあり、上場投資信託(ETF)市場にも流行が広がっている。
学者もウォール街の調査担当者も、ゼロDTEブームで日中の市場のボラティリティーが高まりかねないといった潜在的なリスクを示唆。JPモルガン・チェースのストラテジスト、マルコ・コラノビッチ氏は、18年の「ボルマゲドン」のようにボラティリティーの高まりが株式市場の混乱を引き起こす事態が再発するリスクを警告している。
ブームの中心となっているシカゴ・オプション取引所(CBOE)はゼロDTEが広範に活用されても、市場がショックに対して脆弱(ぜいじゃく)になるような集中的で一方通行の賭けにつながるわけではないと主張している。CBOEは約2年前にS&P500種連動するオプションが平日のどの日にも満期を迎えられるようにし、その後ラッセル2000指数についてもゼロDTEを可能にした。
MLIV調査によると、ゼロDTEが原資産に与える影響について、「とても心配だ」との回答は全体の4分の1程度で、「心配ではない」が34%、「少し心配だ」が41%だった。
また、ゼロDTEをどのように表現するかという質問に対しては、「ギャンブル」との回答が最も多く、否定的な見方としては「ラスベガスのスロットマシーン」や「原子爆弾」といったものがあった。
一方、肯定的な意見は主にヘッジ手段としての有用性に重点が置かれている。 ある調査参加者は「投資家が原資産を所有することなく、株式相場の方向性に対してポジションを取ることができるかなり安価な方法だ」と指摘した。
今のところゼロDTEが利用できるのは主要な指数とETFに限られているが、その人気ぶりから個別銘柄も対象になるのではないかとの臆測が広がっている。その可能性について尋ねたところ、そうすべきとの回答とそうすべきではないとの回答は五分五分だった。