「地獄に鼻までつかっていた」THE SECONDベスト4の金属バットはなぜ芸人をやめなかったのか?「やめるほうが賢いんですよ。俺らは臆病もんやから、ただただ現状維持を保とうとして。じわじわ死ぬドジョウ、豆腐に突っ込んでいくほう」
「やめるほうが度胸ある」「俺らは損切りできない」
友保 それが間違った。それが違うかったんや(笑)。今はけん玉して社長に気にいられて香港行ったとか。すごい人間力強いんで、岩野ってやつが。アホやけどめっちゃええ。そこでちょっとズレたよね。ネタはほんまおもろかったよな。 せや、鈴木とは家も近いし仲もいいし、よく会ってたんだけど、あいつがエストレヤっていうバイク乗ってたんですよ、カワサキの。そんで東京行くってときに「バイク持ってかれへんな」言うてて、わしバイクなかったんで「じゃあ俺にくれや」「無理無理」って言われたのは「死ね」と思いましたね(笑)。 ちょっとざまぁみろがあるんですよ。家にも泊めてもうたし、世話もしてもうたけど、あいつは俺にエストレヤくれんかった。 小林 いやいや売るやろ、東京で金かかんのやから(笑)。 友保 いやよこせよ(笑)。あれもあったな、(東京)沼袋でインディーズライブあって、トムブラウンとか一緒に出てて。終電逃してみんなで外で飲んでて、雨降ってきて、じゃあ帰るかって。俺そのとき小銭持ってたんで、じゃあ鈴木と一緒にタクシーで帰るわって。俺は新宿泊まりで、あいつはもうちょい奥で、俺が先に降りて1万円渡したんですよ。「今度返すよ」って言われたけどまだ返されてない。バイクもくれんかったし。 ―まだ芸人は続けてらっしゃるんですか? 友保 やめて、裏方やってる言うてたっけ。いや、やってりゃあね…でも賢いんですよ、あいつら。俺らは臆病もんやから、ただただ現状維持を保とうとしてる。じわじわ死ぬドジョウのほう、豆腐に突っ込んでいくほう。 ―M-1グランプリ2023準優勝のヤーレンズさんも「やめる人のほうが賢い」って言ってました。 友保 度胸あるんですよ。俺らはどんどんお湯が冷めてって、最後風邪引く。気づいたらちめたなってる(笑)。賢いやつはぬるなってきた瞬間上がって、すぐ体ふいて終わる。 小林 俺らは損切りできない。 ―そんな中で、THE SECONDという大会の意義は……。 友保 ひどい大会ですよ。風呂から上がらさんようにしてる。「ひょっとしたらあったかくなるかも」と思わせる。甘デジ追い炊き機能。よくないですよ。M-1あかんかったらやめたらええのに。 ―芸人さんが賞レースに左右されるという現状は、どう思われますか。 友保 食えるスジがありゃあな、続けりゃええけど。地獄ぐらい売れてない先輩もいっぱいいるんで。 ―お二人は地獄までは行ってなかった。 小林 地獄っすよ。 友保 地獄に鼻までつかってましたけど、俺らエラ呼吸できたんで生き延びることができました。
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