短期金融市場、ECBの12月0.5ポイント利下げ巡り綱引き
(ブルームバーグ): 欧州中央銀行(ECB)が12月に0.5ポイントの利下げを実施するかどうかについて、市場の見方が揺れ動いている。
24日にはフランスの製造業およびサービス業の低調なデータが欧州の景気減速に対処するためのより積極的な金融緩和を求める声に拍車をかけたため、短期金融市場では0.5ポイント利下げ確率が一時50%を超えた。
しかし、ドイツのデータが予想を上回った後その動きは縮小し、0.25ポイントと0.5ポイントの利下げの確率はほぼ半々になっている。
市場はECB当局者らの意見の相違を反映している。ポルトガル中銀のセンテノ総裁のようなハト派は、経済見通しに対するリスクが高まっている中でより大幅な利下げを主張。オーストリア中銀のホルツマン総裁やオランダ中銀のクノット総裁は、現在の経済データでは大幅な利下げを正当化できないと主張する。
市場では先週の金融政策決定以来、大幅な利下げを見込む賭けが活発化している。
ダンスケ銀行のチーフストラテジスト、ピエト・ヘインズ・クリスティアンセン氏は「まだ多くのデータが控えており、政策委員会メンバーらの最近のコメントと相まって、市場では現在、12月の大幅利下げについての賭けが行われている」と、述べた。
金融政策に最も敏感に反応するドイツの2年物国債利回りは一時8ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下し、10月上旬以来の低水準となる2.03%となった。
ヌビーンのグローバル投資ストラテジスト、ローラ・クーパー氏はブルームバーグテレビジョンに、今後1週間に発表されるインフレデータは、0.5ポイント利下げの可能性を占う重要な要素になると述べた。同氏は「ECBが大幅な利下げに踏み切る可能性はまだ低い」とみている。
原題:Traders Tussle Over Half-Point ECB Interest-Rate Cut in December(抜粋)
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Alice Gledhill