金塊2億円分、警察官名乗る男にだまし取られる 仙台の70代女性
宮城県警仙台中央署は23日、仙台市青葉区の70代の無職女性が、警察官を名乗る人物に金塊など計約2億1千万円をだまし取られたと発表した。特殊詐欺の被害額としては県内で過去最高額とみられ、署が詐欺容疑で調べている。 署によると、女性は11月18日、自宅の固定電話で「北海道警豊平署の刑事課の内山」を名乗る男からの電話を受けた。「マネーロンダリンググループのリーダーを捕まえた」「あなたに報酬を渡したと供述している」「家宅捜索であなたのキャッシュカードもでてきた」などと言われ、その後SNSで「守秘義務命令書」とされる写真を送られた上で「身の潔白を証明する方法として『資金調査』というものがある」と言われ、「資金調査」の名目で所有物の提出や現金の振り込みを要求されたという。 女性は同月27日、男が指定する自宅の近くの公園に金塊約13キログラム(時価合計約2億円相当)をキャリーバッグに入れて置いた。さらに12月19日までに、指定された口座に2回、現金計約1千万円を振り込んだという。 女性がインターネットの記事で「豊平署の内山」を名乗る男の別の特殊詐欺事件を知り、被害に気づいた。 署によると「守秘義務命令書」や「資金調査」は聞いたことがなく、注意を呼びかけている。(阿部育子)
朝日新聞社