そういや大型ダンプの荷台って文字や数字が書いてあるな……よく目にする「ゼッケン」の意味
ゼッケンが必要なのは土砂を運搬する大型車両
日常生活のなかで、残土などを運んで活躍しているダンプカーを見る機会は意外と多い。市街地では2トンや4トンのダンプが多いが、国道などの幹線道路へと出向けば、大型ダンプが数え切れないほど走っている。そんな大型ダンプは、一体どのようなものを運んでいるのだろうか。その内情について述べてみたい。 【写真】積載量400トンなんてモデルも! バケモノトラックの役割とは 大型ダンプの荷台に、ナンバープレートとは異なる数字が記されているのを見たことあるだろう。それは「ダンプ表示番号」、通称ゼッケンと呼ばれるもので、国土交通省の「土砂等を運搬する大型自動車による交通事故の防止等に関する特別措置法」(通称:ダンプ規制法)によって、指定の大型車両への設置が義務付けられている。平ボディやウイング車などの大型トラックには積荷に対する細かな規制などは存在しないが、大型ダンプの場合、残土や土砂などは規定の車両しか運ぶことができないのである。 そんなゼッケンには、まず車両の登録地域名が記される。ただゼッケンの地名は2文字と定められているため、大阪のなにわ管轄であれば「なに」と表示される。そんな地名の後には、丸で囲まれた漢字一文字が記される。これはダンプカーを使用する目的、つまり事業の種類を意味している。 よく見かけるのは運送事業を意味する「営」で、砂利販売業は「販」、建設業は「建」、砂利採取業は「砂」、採石業は「石」、砕石業は「砕」、廃棄物処理などの他業種は「他」と記される。そんなゼッケンはダンプ規制法の第20条により、掲示することが定められている。 仕事の内容を意味するゼッケンが必要な車両は、「土砂を運搬する大型車両」に限られている。最大積載量が5トン、車両総重量が8トンを超える大型ダンプには必須というわけだ。 しかし、世の中にはゼッケンのない大型ダンプを見かけることがある。そのような車両は「土砂禁ダンプ」と呼ばれるもので、多くが産業廃棄物の運搬を目的としているもの。そのため、通常の大型ダンプよりも背丈のある大きな荷台を載せている。そんなダンプで残土や土砂を積もうものなら、当然のごとく過積載運行となる。ちなみに5割以上10割未満の過積載であれば違反点数3点(反則金4万円)、10割(2倍)以上の過積載となると違反点数6点(免許停止・6ヵ月以下の懲役または10万円以下の罰金)。これは大型と中型トラックの例だが、いずれにせよ厳しく罰せられることになる。 とはいえ「正規の積載量ではまともな暮らしができない」と嘆く声が漏れ聞こえてくるほど、大型ダンプが運ぶ土砂や残土の単価が安いのも確か。少しでも多く稼ぎたいとはやる思いが、過積載運行へと繋がってしまうのだ。 ブレーキやハンドルの効きが悪くなり、かつ道路を痛める過積載運行はもちろん厳しく罰せられるべきだが、本当に安全と安心を追求するのであれば「2024年問題」のような労働時間の制限などではなく、適正なる運賃が支払われるように改革を進めてもらいたいものである。
トラック魂編集部