創価学会=公明党と自民党の関係に異変?「信仰」と政治の「秘められた関係」
創価学会の2つの転機
「かつての創価学会は他宗教を邪教と呼ぶなど、かなり排他的な宗教観を持っていました。これは日蓮正宗が排他的な性格を持っていたからだと言われています。その日蓮正宗から破門されたため、創価学会は他宗教との関係を戦略的に改めていきました。 それ以前は学会員の子どもが地域のお祭りに参加することなどありえないこととされていましたが、破門後は『拝まなければ参加することはかまわない』と規律が緩んだのです。これによって全国の学会員たちは地域社会で暮らしやすくなりました」 もうひとつの転機が'99年の自公連立による政権参加だった。 「公明党が政権与党になった頃から、学会員たちが町内会活動に積極的に参加するようになりました。しかも学会員たちは活動的な人が多いので、地域社会からも頼られるケースが多かったようです」(玉野氏) かくして創価学会は世間にすっかり溶け込んだ。そんななか、昨年11月に池田名誉会長が逝去。創価学会に動揺をもたらすと不安視されたものの、大きな混乱は見受けられなかった。その理由を玉野氏が推察する。 「私の見立てでは、現在の創価学会員は3分の2ぐらいは比較的豊かな階層に属すると見ています。そうした人たちが、比較的貧しい層に分類される人たちと一緒に活動することで、彼らを支えるという構図になっている。こうした体制が確立されているので、池田名誉会長の死も大きな混乱なく、乗り越えることができたのではないか。 ただ、青年部や女性部の間では、自民党の安全保障関連の方針に不満が溜まっていると聞いています。これは今後の課題になっていくでしょう」 日本の7大新宗教 ※教団への取材や公式HP、宗教年鑑を基に作成 政治に影響を与えてきた「信仰」は、「創価学会」のみに留まらない。つづく後編記事『【旧統一教会・生長の家・霊友会・立正佼成会ほか】宗教は政治といかに関わってきたのか【2024年最新版】』では、「旧統一教会」をはじめとした、保守派と関係のある宗教団体たちについて徹底解説する。 「週刊現代」2024年10月26日・11月2日合併号より
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