鹿児島県・与論町 床上浸水19棟、通行止めも11月に初の大雨特別警報
暖かく湿った空気の影響で、奄美地方は9日午前、猛烈な雨に見舞われた。同日未明、気象庁が大雨特別警報を出した与論町では床上浸水19棟、床下浸水8棟の被害が確認されたほか、島内を循環する県道で1か所崖崩れが発生し、土砂や樹木が覆い通行止めとなっている。
気象庁では災害発生の危険が極めて高いと判断し、同警報を出したが、同庁によると11月に出されるのは、2013年の運用開始以降、初めて。過去に最も遅かった警報の発令は、19年の台風19号の影響で岩手県に出された10月13日だった。 記録的な大雨に伴い県、大島支庁、与論町が災害対策本部を設置。塩田康一知事は「9日午前2時40分に、前日からの大雨に対し、気象庁から、与論町に大雨特別警報が発表され、県においては災害対策本部を設置した。同町では、これまでに経験したことのないような大雨となっている。県民の皆さんは、市町村が発表する避難情報等に最大限の注意を払い、早めの避難や不要不急の外出を控えるなど、命を守る最善の行動をとってほしい」とのメッセージを出した。
町によると被害状況(9日午後2時現在)は、人的被害はなし。公共土木施設等の被害は、県道623号与論島循環線の立長地区で崖崩れが発生。通行止めとなっているが、復旧の見通しは立っていない。崖崩れが発生した箇所の近くで土砂の流出も確認されたという。停電はなく、通信障害もない。 避難指示、高齢者等避難はなしで、町では避難所を10か所開設したところ、体育施設の砂美地来(さびちら)館に1世帯3人が避難している。 与論町に出された大雨警報は午後2時に解除され、大雨警報に切り替わった。和泊町、知名町に出された土砂災害警戒情報は同2時35分に解除された。