ジャック・ウルフスキンに聞く! 登山におけるザックの選び方 vol.02【トレンド&サイズ選び編】
寒い冬を越えてもうすぐ訪れる登山のハイシーズン。近年のアウトドアブームも相まって新規ユーザーも増えている登山者。そんなハイカーの重要なギアの1つといえば「ザック」。今回も、ジャック・ウルフスキンのマーケティングセクションマネージャー、宮城さんにザック選びの基本を教えていただいた。第2回はトレンド、サイズ選び編を紹介する。 【写真】登山用ザック選びで外せない機能性を見る(全4枚)
目まぐるしく変化するアウトドアシーン、登山業界のトレンドは?
アウトドアのマーケットはコロナ禍の影響もあり、メーカーは増え各社が新商品を日々切磋琢磨しながら開発し、ここ数年で大きく進化を遂げた。 さて、最近の登山業界のザック最新トレンドはなんだろう。 まず商品ラインナップが大きく増えたのはUL(ウルトラライトギア)タイプの商品群だ。 ULとは、読んで字のごとく究極に軽い道具を指す。つまり、軽量化を優先的に考えて作られたザックのことを言うのだ。 ポールの取り付け部分など登山ギアに必要な最低限の機能や安全性を持ちながら極力余分なものを取り除いた環境にも優しい商品と言える。 「以前は体への負担を軽減するための機能を突き詰めた商品がほとんどでした。安全性を高めた商品で重量もありますし、現行でももちろんタフで堅牢な商品はありますが、ULでは、様々な体型や登山のスタイル、運動量の多い少ないにかかわらずフィットすることを考えられたモデルが販売されていると思います」(宮城さん) 装備や道具を軽量化することで得られるメリットは、体力の消耗を抑えながらスピーディかつ長時間の山行ができるようになること。ただし、中に収納する荷物も“ちゃんと使うもの”を見極めてパッキングする必要がある。つまり、登山経験が豊富な人向けということや長期間の縦走にはあまり向いていないと言えるだろう。あくまで安全第一ということは忘れないでほしい。
シチュエーションに見合ったサイズ選びを
大きくざっくり登山のシチュエーションを2つに分けてみることにしよう。 ①日帰り登山、山小屋泊 ②山小屋泊縦走・テント泊 ①は、ザックの中に何を収納するかで選ぶ大きさを変えると良いだろう。雨天時に着用するレインウェアや気温差に対応できるインナーやタオル、暗くなった場合を想定したヘッドライトや、コンパス・エイドキットなどは基本装備として入れておきたいところだが、それ以外にも休憩中に食事やお湯を沸かしてコーヒーなど飲みたければクッカーやシングルバーナーも収納しよう。その場合、25~30Lのタイプがおすすめだ。 ②の場合は、重くなればなるほど先述のULギアは選ばず、ポケットの数や肉厚のクッションが使われたトレッキングパックを選ぶのが吉。ポケットの数が多いメリットは“どこに何を入れたか”が頭の中で把握できるので必要なシーンで必要なものがスムーズに出し入れできること。テントや寝袋など荷物が増えるパッキングを想定して機能性は重視したいポイントだ。 「持っていきたいものをどれだけどこに収納するかがサイズ選びの基準になってくるでしょう。縦走・テント泊は以前60L程度が適正とされていましたが、装備のコンパクト化が進んだ昨今では45L程度でも十分可能だと思います」(宮城さん) 今回は昨今のトレンドやサイズ選びについてお届けしました。次回は具体的にブランド・商品について触れていきます。
古郡充彬