100点を悠に超え…200点の作品「型破りな教室」 主演の教師役が見事、子供たちはいつの時代も〝金八先生〟を待っている
【坂上忍の白黒つけて何が悪い】 100点を悠に超え、200点の作品です。 とにかく素晴らしい! 実話だそうですが、本当にこんな人がいたのかと。こんな先生に出会えたら人生変わるだろうなと、うらやましいやら、うれしいやら…。 メキシコのマタモロスという街は、アメリカとの国境近くにあるのだが、麻薬と殺人が日常化しており治安は最悪。 しかし、そんな街にもポツンと小学校があるのですが、教師たちに意欲は見られず学力は国内最低レベル。 そんな学校に、ひとりの男性教師が赴任してきます。が、そのユニークで型破りな授業に子供たちは触発され、どんどん学力をアップしていき、奇跡を起こすのでした。 とまぁ、ざっくりとこのような展開なのですが…。 とにかく生徒役の子供たちの演技が素晴らしいのです。 自然といえばそれまでなんですが、現場の空気感が本当によかったんだろうなというのが、スクリーンからビンビン伝わってくるぐらい、伸び伸びとしているんです。 そして主演の教師役のエウヘニオ・デルベスさんが見事なの。 メキシコのみならず、世界的にも著名な俳優さんでして、もともとコメディーを主軸としバラエティー番組の司会としても活躍された方なのですが、日本で例えるならば、先日残念ながら他界されてしまった、西田敏行さんのような存在といったらわかりやすいですかね。 やっぱりコメディーができる俳優さんは強いですね。芝居の幅が全然違う。 撮影現場で長い待ち時間があっても、生徒役の子供たちを相手に分け隔てなく遊んであげていたような、そんな姿が浮かぶんです。それぐらい子供たちとの信頼関係が出来上がっておりました。 要は「金八先生」ですよ。子供たちのために身を削って、なんとかひとりも漏れることなく卒業させてあげたい。 勉強の面白さをどこかで感じてもらい、自分にも可能性があるんだと。安易に犯罪の道に走らず、まっとうな生き方ができるんだと挑戦してもらいたい。そのためだったら先生、なんでもするから! みたいな。 そんな先生に子供の頃に出会えていたら、そりゃあ影響力は絶大ですよね。