阪神呪われた二塁 西岡に続き上本も離脱か
広島の大瀬良のような力のある本格派に抑えこまれた後の試合というのは、打線が続けて不調に陥ることは少なくない。各打者にそのイメージが残っていて、ポイントの位置が微妙に狂うのだ。そこを見越してサードに新井良ではなく、今成を起用したのは、和田采配のヒットだが、その不安の残る打線において上本だけは、しぶとい内野安打を記録するなど、1番の仕事を確実に果たしていた。それだけに上本の離脱が、もし長いものになるならば、首位の広島を追撃する阪神の勢いに黄色信号が灯ってしまうことになる。 2軍の関係者の話を総合すると、もし上本が登録抹消となれば、プロ4年目の荒木郁也(26歳、2010年ドラフト5位、日大三から明治大)が緊急昇格の有力候補のようだ。少し股間節を痛めていたが、自慢の快足だけでなく、バッティングに関しては、掛布雅之DCの指導を受けて、シャープさが出てきた。現在、非常に調子がいいという。 セカンドに坂、もしくは、荒木を使う場合、そのまま1番に入れるか、再度、打順を動かすことも検討されるだろう。西岡に続き、上本の離脱となると、首脳陣は、真っ青だろうが、長いシーズンには、こういうことが起こりうる。和田監督の言葉通り、誰かがカバーしなければならない。そのときに備えて、どれだけバックアップメンバーの底上げと整備が出来ているかが、本当のチーム力である。チームの危機にこそ阪神タイガースのフロントの編成力とファーム組織の育成力が試されることになる。