阪神呪われた二塁 西岡に続き上本も離脱か
エースと頼む能見が打たれ、打線が沈黙を続けた。ゲームの流れの中で、一度は、代打を送られようとしていた能見が、再度マウンドに上がったことで、緊張の糸が切れたのか。阪神は、2-5でヤクルトに敗れたが、ただの一敗ではない。GWを跨ぐ9連戦の初戦のヤクルト戦で痛い代償を払った。 4回一死一塁で、ヤクルトの雄平のセカンドのほぼ正面を襲ったライナー性の打球を上本が弾いたが、そのときに親指を突き指してしまったようなのだ。5回の守備から下がった上本は、そのまま病院に直行した。回転しないボールが、空中でまるでナックルボールのように変化する打球。内野手をしばしば悩ます打球だが、上本は、その処理の際、誤って指にボールを当ててしまったようで「スローイングに支障が出る」と首脳陣に訴えたという。 軽症であることを祈りたいが、試合中に病院へ直行しなければならないほどの状況ならば、最悪の場合、登録抹消の事態となるかもしれない。神宮球場の駐車場手前にあるクラブハウスで、記者に囲まれた和田監督は、「ゲーム中なのでまだ詳しい報告は受けていないので、どれくらいの怪我の状態かはわからないが、そうなってしまったときは(長期離脱)、誰かがカバーしていかなければならない。次の手を考えていかねばならない」と険しい表情で語った。 呪われたセカンドベースとでも言おうか。東京ドームで大竹の打球を巡って福留と衝突して長期離脱となった西岡に続き、上本まで不運な怪我に襲われた。上本―大和の1、2番コンビは、阪神の打線の肝だった。和田監督は、西岡の代役に上本を指名して、1番の鳥谷を3番に、3番の西岡に代えて上本を1番に置き、打線を組み直したが、これが見事に機能していた。新外国人のゴメスを取り囲むように鳥谷とマートンが、うまく波長を合わせて調子を上下させて、大切な得点源となっていたが、それも上本―大和の高い出塁率があってこその新クリーンナップだったのだ。