小学5年生ではもう手遅れ!? 苦手な勉強を小4までに克服すべき理由と克服法
苦手克服は一つひとつ
算数という積み上げ型の教科では、低学年で学ぶ内容を100%身につけていなければ、高学年の内容を身につけることはできません。高学年になって算数が苦手な子どもというのは、算数の学力についてだけいえば低学年と同じなのです。必ず、いったん低学年に戻って、理解が抜けているところを学び直さなければなりません。 たとえば、5年生のお子さんで現在の偏差値が40だったとします。こちらを偏差値60まで伸ばしたいと希望している場合、どうすればいいでしょうか。 まず実力診断をして、苦手の原因を明らかにします。 位がわかっていないのか、あるいは図形の基礎が身についていないのか。学年が5年生であっても、2年生の範囲がわかっていなければ算数の力は2年生相当、3年生の範囲がわかっていなければ3年生相当です。 ほかの子どもが5年生・6年生の2年間で学べばいいところを、同じ2年間で3~6年の4年分をやる、つまり倍の効率で必死に勉強して、やっと届くのが偏差値50です。現実的に考えて、中学受験までに算数の成績上位グループに入るのは不可能と言えます。
しかし、まず偏差値50にならなければ永遠に60にはなれません。何度も言いますが、算数は積み上げ型の教科です。苦手を一個一個つぶしていけば、すなわち、教わった概念を用いて決まった範囲の問題を解くことが一つひとつできるようになれば、必ず成績はアップしていきます。 どんな名医でも、生活習慣病を1日で治すことはできませんし、どんな名コーチでも1週間で素人をプロのアスリートにすることはできません。「偏差値40からいきなり偏差値60に」などという非現実的な夢は捨ててください。 現在の偏差値が40なら、まずは45を目指す。45 になったら50に手が届く。50に追いついたら55が見える。正しく現状把握して、徐々に刻んでいくしかないのです。 以上は、苦手を自覚している場合の話です。 「うちの子は3年生まで算数が得意なまま4年生になったから、安心」とは必ずしも言えません。繰り返しになりますが、4年生から応用・複合問題が増えていきますし、計算だけを見ても分数や四捨五入などが登場してややこしくなっていくのです。高学年でつまずいて一気に苦手になってしまうお子さんも多いですから、親御さんは決して油断せず、お子さんの勉強をしっかりと見守ってあげる必要があります。