【厚生年金】6月の年金支給日に「約46万円」が支給された理由。ファイナンシャルアドバイザーが解説
日本の年金は偶数月に支給のため、6月は年金の支給月です。 仕事柄、年金など老後のお金について話す機会が多いのですが、近年は特に相談が多いと感じます。 【写真4枚を見る】【年金一覧表】年金支給日に「約46万円」支給される夫婦とは?厚生年金「月1万円未満~30万円以上」の人数も1万円刻みでまとめて見る! しかし、老後に実際いくらほどの年金を受け取れるのか、ご存知ないケースも散見されます。 老後のお金事情を考える際には、まずは年金収入を正確に把握しておくことが大切です。 例えば、この6月に支給される金額は標準的な世帯で「約46万円」です。 そこで今回は、どのような世帯であれば46万円を受け取れるのかを確認し、老後の年金事情について考察を行っていきます。 ※編集部注:外部配信先ではハイパーリンクや図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
日本の公的年金制度は「2階建て」
日本の年金制度は、図のように「厚生年金と国民年金」の2階建て構造となっています。 ●国民年金(1階部分)とは まずは日本の国民年金制度について説明します。 国民年金は日本に住む20歳から60歳未満の全ての方が加入します。 国民年金の保険料は年度ごとに改定されますが、金額は一律です。 40年間保険料を納付した場合、満額の年金を受け取ることができるのが特徴です。 ●厚生年金(2階部分)とは 会社員や公務員などの「第2号被保険者」は、国民年金(基礎年金)の上に厚生年金にも加入します。 国民年金に対して厚生年金の保険料は報酬比例制であり、所得に応じて保険料が決まる仕組みです。 所得が多い方や長期間働いた方は保険料が高くなりますが、その分、将来受け取る年金額も増えます。 このため厚生年金は受給額に個人差が生じやすいのも特徴です。 では、そんな年金を「約46万円」支給されるというのは一体どんな夫婦なのでしょうか。次章で解説します。
6月に「約46万円」支給された夫婦の内容
2024年度、年金額は以下のように改定されています。 ・国民年金(老齢基礎年金):6万8000円(1人分※1) ・厚生年金:23万483円(夫婦2人分※2) ※1昭和31年4月1日以前生まれの方の老齢基礎年金(満額1人分)は、月額6万7808円 ※2平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)43万9000円)で40年間就業した場合に受け取り始める年金(老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額))の給付水準 標準的な夫婦の年金額は23万483円で、前年に比べて6001円のアップとなっています。 これにより、一度に支給される金額は「夫婦2人分」、かつ「2ヵ月分」の合計で46万966円になります。 これが「6月に標準夫婦が約46万円支給された理由」ということになります。 約46万円というと大きな金額に感じますが、実際には2ヵ月分の生活費を約46万円でまかなう必要があります。 光熱費の高騰や物価高が進むなか、ゆとりある生活を送れる水準とは言い難いでしょう。 なお、今回ご紹介したのはモデルケースでの年金受給額例になります。 年金の受給額は人によって個人差があるため、実際の振込額を確認したい方は6月に送付される年金振込通知書を確認するとよいでしょう。 次章では、今まさに年金を受給しているシニアがいくらほどの年金を受け取っているのか、平均受給額を確認していきます。