純烈が石川の温泉で復興ライブ 「がんばれと言いにきたんじゃない」
元日の地震で大きな被害を受けた和倉温泉(石川県七尾市)の共同浴場「総湯」で1日、ムード歌謡グループ「純烈」が無料の復興ライブを開いた。最前列の観客がステージで踊り出す一幕もあり、会場は笑いに包まれた。 【写真】ライブ中、純烈のメンバーはステージを降り、観客と握手して回った=2024年12月1日午後2時5分、石川県七尾市、椎木慎太郎撮影 純烈のメンバーが初めて七尾を訪れたのは昨年10月、テレビの釣り番組のロケだった。和倉温泉の旅館に泊まったリーダーの酒井一圭さん(49)は総湯に入り、「いつかここでライブがしたい」と思ったが、すぐ後に能登半島地震が発生した。 酒井さんはこの日のライブで、「今日は『がんばれ』と言いにきたんじゃない。純粋にこの瞬間を楽しんで」と、地元住民ら約200人の観客に呼びかけた。 アンコールの際、最前列にいた観客の森谷清子さん(82)が友人とステージに上がり、歌に合わせてメンバーと踊り始めた。森谷さんは「息子ぐらいの年齢のみなさんを見ていると元気が出てきて、吸い込まれるようにステージに上がっちゃった」と話した。 ライブ終了後、酒井さんは「紅白に初出場する前、全国のスーパー銭湯でライブをしていた頃のお客さんとの距離感を思い出した。最近は大きなホールが多かったので、めちゃくちゃ面白かった」と笑顔で語った。(椎木慎太郎)
朝日新聞社