AI活用は今からでも「全然間に合う」?2027年「意外な未来」をガートナーが予測
AI活用はまだ「全然間に合う」と言えるワケ
未来に関するSPAについて、続いて堀内氏が紹介するのが「2027年までに、グローバルのCDAO(最高データアナリティクス責任者)の半数以上が生成AIで期待した成果が得られなかったことが原因で、データ・リテラシーとAIリテラシープログラムへの資金を確保する」という予測だ。 これは裏を返せば、CDAOの半数以上がAI活用で一度は失敗を経験するということでもある。 その原因として、SPA内で指摘されているのが、「成功にはデータ・リテラシーと変革のための組織文化の醸成が不可欠な一方で、現場でそれらを受け入れる準備があまり進んでいない」という状況だ。AIリテラシーの醸成は多くの企業で始まったばかりであるため、現時点でリテラシー向上プログラムを計画/実施している企業が皆無であることも挙げられているという。 「日本でAI活用の遅れが指摘されますが、このSPAによりグローバルも実は日本と大差ないことが理解できるでしょう。つまり、今から着手しても決して遅くはないのです」(堀内氏) この状況を受けた市場への影響としては、データやAIリテラシー教育などのトレーニングを提供するサードパーティの増加があるという。 一方、推奨事項としては、生成AI関連のテクノロジーおよびAIユースケースの実装に関する投資計画が立案されている分野について、従業員へのデータ/AIリテラシー教育に投資することを挙げている。 このように、SPAを参照することで、ビジネスにおける新たな視座を得ることができると堀内氏は示唆する。 「SPAを独自の視点から見ることで、こうした新たな知見獲得につなげられます。多様な気づきのもととして、ぜひとも我々のSPAに今後もご期待ください」(堀内氏)
本記事は2024年5月21日-23日に開催された「ガートナー データ&アナリティクス サミット」の講演内容をもとに再構成したものです。
執筆:フリーライター 岡崎 勝己