〔東京外為〕ドル、157円台前半=植田総裁講演受けて強含む(25日午後3時)
25日午後の東京外国為替市場のドルの対円相場(気配値)は、植田和男日銀総裁の講演を受けてやや買いが入り、1ドル=157円台前半で強含んでいる。従来通りハト派的な内容だったとの安心感から買いが優勢になったようだ。午後3時現在、157円34~39銭と前日(午後5時、157円13~15銭)比21銭のドル高・円安。 前日の欧州時間は156円90銭台~157円10銭台のレンジ圏で推移した。米国時間の序盤は、米長期金利の上昇を眺め、157円30銭台に上昇。中盤から終盤にかけては長期金利の低下を受け、157円20銭台まで軟化した。 東京早朝は売りが先行し、157円付近まで弱含んだ。午前9時以降、五・十日要因に基づく実需筋の買いが入り、仲値公示にかけては、157円30銭台に上昇。その後は戻り売りが出て157円付近に反落し、午前は上にいってこいだった。午後は、植田総裁の講演を控えて小動きだったが、講演を受けてやや買いが優勢となった。 植田総裁の講演を巡っては、「一部でタカ派的な内容になることへの警戒感もあった」(運用会社エコノミスト)という。実際には、「先週のハト派的だった会見内容と変わらずだった」(同)と受け止められ、タカ派を警戒した向きのドル売り・円買いポジションの巻き戻しが入ったようだ。目先は「植田総裁の講演をこなしたことで、いったんは取引材料が出尽くしとなり、動意を欠く」(大手邦銀)との声が聞かれた ユーロも午後は対円で強含み。対ドルは小動き。午後3時現在、1ユーロ=163円62~73銭(前日午後5時、163円20~21銭)、対ドルでは1.0404~0406ドル(同1.0390~0391ドル)。