子どもと「よい関係の教員」見分ける2つの観点 学級の「ボス」には1対1で個別に働きかけを
学級が荒れ始めたと感じたときは、教室環境の改善から
すでに学級が荒れた状態にある場合は、どこから対処すればよいのだろうか。三好氏は「教室環境の改善から始めてみては」と提案する。 「荒れた学級では、机の横に掛けてはいけないものがあるなど、物の置き場所のルールが守られていないことが多い。授業中に5分間だけ片付けの時間をつくり、物の置き場所を正させることであれば実行しやすいと思います」 朝礼時の整列や給食準備などの集団行動が遅くなることも、荒れた学級によく見られる特徴だ。「早くしなさい」と言うだけでは改善しないため、数字で具体的な目標を示すことが有効だと三好氏。「『昨日は整列に5分かかった。今日は何分を目指す?』とタイマーで計ると、学級全体で達成感を得られます」 三好氏が高学年の担任をした際は、10月末にハロウィンパーティー、12月の終業式前にクリスマスパーティーをしたという。特別活動の時間で3週間ほどかけて準備に取り組んだことで、児童はそこにエネルギーを注ぐようになり、反抗的な態度がエスカレートすることはなかったそうだ。 教員時代に学級経営で悩んだとき、三好氏は自らが師事していた先生や外部の教員サークルで出会った教員仲間などに相談をしていたそうだ。「いざというとき相談できる人がいるだけで心強いもの。しんどくなりやすいこの時期を、教員自らの心身の健康を守りつつ乗り切るためにも、校外や教員でない人でもよいので、自分なりの相談役を見つけてほしいと思います」 (文:安永美穂、注記のない写真:つむぎ / PIXTA)
東洋経済education × ICT編集部