小学生の53%は推し活をしている 学研が小中高生の推し活事情を調査
中学生の推しもアニメと漫画のキャラクターが1位
中学生が推しているジャンル1位は「アニメ・まんがキャラクター」(15.8%)。 2位「歌手・ミュージシャン(アイドル除く)」(12.5%)、3位「アイドル」(12.0%)、4位「YouTuber」(11.8%)、5位「スポーツ選手」(8.5%)と続く。「歌手・ミュージシャン」以外は小学生と同じジャンルだ。 男女別のランキングでは、女子は「アイドル」、男子は「アニメ・まんがキャラクター」が1位となっている。 推しがいる割合は女子が74.3%と、男子(49.3%)と比べて25.0ポイント高く、小学生よりも差が大きい。 「推しがいる」と答えた割合自体は、2023年の調査の66%から62%へと減少している。
「アイドル」が推しジャンル初のトップ 推しがいる男子の割合も最高
高校生が推しているジャンルは「アイドル」(22.3%)が1位。 2位が「アニメ・まんがキャラクター」(18.7%)、3位が「YouTuber」(16.0%)、4位が「歌手・ミュージシャン」(14.2%)、5位が「俳優・タレント」(13.0%)。 小中学生では見られなかった「俳優・タレント」がトップ5に入っている。 男女別では女子が「アイドル」、男子は「YouTuber」が1位。 推しがいる人の割合は女子が80.0%と男子(61.3%)と比べて18.7ポイント高い。一方で、小中高の男子と比較すると、高校生男子が最も推しがいると回答している(小学生:44.8%、中学生:49.3%)。
拡大する推し活市場、警鐘を鳴らす声も
近年、バズワードとなった「推し」「推し活」は大きな市場を形成している。 応援する対象がいることは日々を過ごすうえでの活力にも成り得るほか、同じ趣味を持つ人々との交流によって社交の場が広がることにもつながる。 11月には、SHIBUYA109 lab.と博報堂が「界隈消費」と銘打った新たな消費の形態に関するレポートを公開している。こういったことからも、趣味によるコミュニティ形成が若い世代にとって重要になっていることが読みとれる。 一方で、推し活による負の側面というのも長らく指摘され続けている。 10月には、松井証券が全国の20歳~69歳を対象とした推し活の悩みに関する調査を実施。約4割の人が「推しに使える金額が少ない」「貯蓄ができない」といった悩みを持っていることが報告されている。 また2023年末には、ブロガー/精神科医の熊代亨さんが『「推し」で心はみたされる? 21世紀の心理的充足のトレンド』と題した書籍を刊行。 こちらは「昨今の『推し』は、ちょうど承認欲求がいちばん流行っていた頃と同じような、毀誉褒貶の激しい状況にある」という意識を前提に執筆されている。 その視座をもとにし、推し活を軸に、精神科医の視点から現代の心理的欲求を分析しつつ、良い推し活ライフをとおして人生を豊かにしていく方法を探っている。 松井証券の調査で示されているように、推し活には金銭的負担を伴うことが多い。自身の生活の負担とならないよう、適切な距離感での推し活の道を模索することが必要になってくるだろう。
KAI-YOU編集部