我が子を「指示待ち」にしないためには?ぬまっち先生に聞く、自主性を伸ばす実践メソッド!
【「制限時間」などのルールを設けて盛り上がる】 あえて「制限」をかけることも、子どもをやる気にさせる仕掛けの一つです。 たとえば「ダンシング掃除」。 「3曲終わるまでに掃除を終わらせないといけない」という制限時間を設けたことで、子どもたちは協力して掃除をてきぱき終わらせるようになりました。 さらに「曲のサビがきたら掃除しないでダンスしなくてはいけない」というルールを追加したら「踊っている間の分も効率よくしなきゃ」と、子どもたちは自主的に掃除の効率化を考え始めました。 子どもたちがあまりやりたがらない勉強にも、制限の仕掛けは役立ちます。 その一つが、音読の宿題をさせるための仕掛け、「The 音読 First Take」。 これは文章を音読して、コンピューターの音声入力でどれだけ正確に文字に変換されるかを競うゲームです。 ただし、音声入力する「本番」で音読していいのは1人1回きり、ファーストテイクのみ! 一発で勝負が決まるので、子どもたちは間違えずに滑舌よく音読できるまで、家で何度も音読の練習をしていました。 音読は、ただ読むだけではすぐ飽きてしまいますが、こうして制限することで、自分から音読するようになります。 保護者のかたからも「音読の宿題を楽しくやるようになった」「親子で音読を競い合って楽しんでいる」などうれしい声をいただいています。
まとめ & 実践 TIPS
「言わないとお手伝いをしてくれない」「なかなか自分から勉強しない」など、お子さまの様子に悩まれる保護者のかたもいらっしゃるでしょう。 ぬまっち先生のおっしゃるように、まずは「自分はやればできた!」という自己効力感を高める体験を積み重ねることが自主性につながります。 そのうえで、お子さまがどうしたらやりたくなるのか、お子さまをその気にさせる「仕掛け」も意識してみてはいかがでしょうか。
プロフィール 沼田晶弘(ぬまたあきひろ) 1975年東京都生まれ。国立大学法人東京学芸大学附属世田谷小学校教諭。東京学芸大学教育学部卒業後、アメリカ・インディアナ州立ボールステイト大学大学院にて修士課程を修了。2006年から現職。著書に『もう「反抗期」で悩まない! 親も子どももラクになる“ぬまっち流”思考法』 (集英社ノンフィクション)『ぬまっちのクラスが「世界一」の理由』(中央公論新社)『one and only 自分史上最高になる』(TOYOKAN BOOKS)他。オンラインサロンやインスタグラム、「note」などでユニークな教育法を紹介して広めている。