我が子を「指示待ち」にしないためには?ぬまっち先生に聞く、自主性を伸ばす実践メソッド!
自分からやりたくなる家庭での「仕掛け」のヒント
保護者のかたから、「子どもを見守っていても一向にやらないから結局言ってしまう……」という悩みもよく聞きます。 実は「見守る」にもコツがあります。 子どもが「やってみたい!」と乗ってくる「仕掛け」をしたうえで見守ることが、大切です。 ボクが学校で実践している仕掛けの考え方と具体例を紹介するので、ご家庭で見守る時の参考にしてください。 【大人も子どももやる気がわく「自分ごと化」】 「自分ごと化」は、子どもたちの「やりたい!」を引き出す大切な仕掛けの一つです。 子どもたちは、自分に関係ないと感じることには興味を示しません。 逆に自分に関係していることがわかると、がぜんやる気になります。 大人だって、「料理が上手になりたい」と思ってもなかなか続かないこともありますが、友人や恋人が来る予定があれば、本気になりやすいですよね。 だから、ボクのクラスの漢字テストは「今ニュースで話題のフレーズ」を問題文に使います。 3月には「桜前線北上」「開花日予想」などの漢字を出すと、子どもたちは桜のニュースを聞いて「漢字テストに出たあれだ!」と自分ごと化できるのでやる気になります。 家庭でも、それが子どもにどう関わっているのか、身近な現実の場面でどう役立つのかがわかるように声かけするのも効果的です。
【「ネーミング」と「道具」がその気にさせる!】 気分の上がるネーミングや道具もおすすめの仕掛けです。 たとえばボクのクラスでは「日直」を「キャプテン」と呼んで、小道具としてキャプテンの腕章を付けています。 子どもたちは誇らしげに腕章を付けて日直の仕事をてきぱきやってくれます。仕事自体は同じなのに、ネーミングと小道具だけで責任感が生まれるのです。 家でお風呂掃除を任せるなら、子どもを「お風呂のプロ」と呼んで、まずは店頭で「プロは何を選びます?」と自分で道具を選んでもらうのもいいかもしれませんね。 別の例だと、「勝手に観光大使」という、子どもたちに自分の担当する都道府県の観光大使になったつもりで、方言や観光名所などプレゼンしてもらう社会科の授業があります。 最初は「勝手に観光大使を名乗っていいの?」ととまどう子たちもいました。 でもネーミングがそもそも「勝手に観光大使」なんだからいちいち許可はとらなくていい、と言うと子どもたちは面白がってやる気になりました。 また、「発表」ではなく「プレゼン」をさせたのも子どもたちをやる気にさせたポイントです。 子どもは、大人が使っている「プレゼン」や「PDCAサイクル」などのビジネス用語を喜んで使ってくれるからです。