永谷園の「お茶づけ海苔」、じつはいま「夏に需要が伸びまくっている」…その意外な理由
実は子どもたちが朝、お茶づけを食べている
お茶づけというと、大人の食べ物というイメージが強いかもしれませんが、誰が食べているかを調査してみると、実は子どもが多くて、しかも朝に食べている。 親は朝ご飯を食べさせたいんですが、なかなか食べてくれないもの。でも、お茶づけならサラサラと食べられる。 だったら、「お茶づけをサラっと食べて、元気に登校」を習慣化してもらおうと'20年にスタートしたのが「めざまし茶づけ」企画です。お母さんたちから「お茶づけを食べると子どもがシャキッとして元気に学校に行ってくれるのが幸せ」という、うれしい声をいただきました。 この価値をもっと多くの人に知ってもらいたかったので、「子ども向けお茶付の素」を開発しました。フレーバーは「さけ青菜茶づけ」「たらこわかめ茶づけ」「クリーミーカレー茶づけ」の3種類があります。 子どもが好きなカレー風味は、よくびっくりされるのですが、これがとてもおいしくて、お子さんにも大人気です。 また、昨年はびっくりすることがありました。お茶づけの需要が伸びるのは例年、冬なんです。ところが猛暑だった夏に大きく伸びた。調査をしてみると、「冷やし茶づけ」にして食べられていたことがわかりました。 暑くて食欲がなくて何も食べたくないけど、お茶づけなら食べられる、と冷やし茶づけを食べてくださっていた方が増えていたんです。 「冷やし茶づけはどこで売っているのか」という質問をたくさんいただきました。実は、専用商品はなくレギュラー茶づけのどのメニューを使っていただいても構いません。それをご飯にかけて、冷水を注いでいただければ、それでもう冷やし茶づけになるんです。 食事で水分も取れるし、塩分も取れる。とても理にかなっています。一方、エアコンで寒くて、温かいお茶づけを食べたかった、という声もあったようです。 おそらく今年も暑いでしょうから、冷やし茶づけ、また温かいお茶づけを食べて元気に夏を乗り切っていただけたらと思います。 さらに最近では、素材重視のお客さま向けに「だしごこち」茶づけを発売しました。子育て中の方もそうですが、今後も新しい購入層の開拓を目指していきたいと考えています。
上阪 徹(ブックライター)