【阪神】ドラフト1位は有原、外れで住金鹿島の横山
阪神はドラフト1位で早大の超大型右腕、有原航平を指名する方針を21日までに決定した。有原は、広島の広陵高出身という背景もあって、すでに広島も1位指名を公表。巨人は競合を避け指名を回避する模様だが、オリックス、日ハム、ヤクルトも参戦濃厚で多ければ5球団が競合しそうだ。 その運命のクジ引きを阪神は2年前に藤浪晋太郎を引き当てた和田監督に託すが、同時に大事になってくるのが、外れ1位の戦略。『大型の即戦力投手』にこだわる阪神は、新日鉄住金鹿島の左腕、横山雄哉を、その外れ1位候補の一人としてリストアップした。 横山は、山形中央高時代に2年生エースとして春夏の甲子園に出場。3年夏は県大会で敗れたが、5試合、28イニングで42三振を奪ってプロの注目を集めた。本人もプロを志望したが、まだ球速は140キロそこそこで、結局、ドラフトにはかからず社会人の強豪である新日鉄住金鹿島へ進んだ。社会人で3年間揉まれて球速もアップ。1m82cm、82キロの恵まれた肉体から放たれる角度のあるストレートは、最速147キロ。変化球は、スライダー、カーブ、チェンジアップの3種類あるが、特に右打者の膝元へ動くスライダーには自信を持っている。補強選手として出場した都市対抗では、5連続三振を奪い、存在感を示し、この11月にプロアマ混成で挑む「侍ジャパン21U代表」のメンバーにも選ばれた。まだ20歳。若さも魅力だ。 THE PAGEでは、元ヤクルトの名スカウト、片岡宏雄氏に『プロで通用する7人』を選んでもらったが、そこには横山の名前も入っていて「ボールが多少ばらついて安定感はないが、左打者には嫌なタイプ。プロでも十分に通用すると思う。足を高く上げて、腕の振りが早い。独特のリズム感があるので、タイミングを合わせるのが非常に難しい。左右は違うが、ヤクルトの小川のようなタイミングだ」と評価していた。 右足をビュンと勢いよく上げてリズムを取るので、確かに打者はタイミングをとりづらい。高めのストレートで空振りを取ることのできるスケールの大きな即戦力の先発タイプだ。