「めっちゃいい音…」 ミュージシャンを支える「魔法の箱」 札幌在住 注目のエフェクタービルダー
HTB北海道ニュース
美しい塗装が施された、手のひらに収まるサイズの鉄の箱。 一見なにかわからないこの箱。 ミュージシャンに欠かせない「エフェクター」というものです。
札幌にあるアパートの一室。 杉本優司さんは、この部屋でエフェクターという機材を作っています。
■杉本優司さん: 「自分が魅力を感じるものがつくるのが大前提としてあります」 有名楽器店で販売され、メジャーアーティストも使用するなど高い評価を受ける杉本さんのエフェクター。一方、自身の仕事をこのように話します。 ■杉本優司さん: 「エフェクター作ってますって言っても、やっぱりバンドをやってきた人とかだとわかるんですけど、そうじゃない人は伝わらないですね」
杉本さんが手がけるこの「エフェクター」。 一体どういうものなのでしょうか? 札幌でギター講師を務める桑尾哲郎さんに、実演してもらいました。 演奏中、両手が塞がってしまうギタリストやベーシストは、足元に置いたエフェクターのスイッチを踏んで音を変化させます。 お馴染みの「あの曲」で試してもらいました。
(※onちゃんおはよう体操)エフェクターを踏んでいない状態だと… 【エレキギターの素の音♪】 ここに「ファズ」と呼ばれる音が激しく歪むものを踏むと… 【歪んだ音♪】 「フェイザー」と呼ばれる音がうねる効果があるものを踏むと… 【うねった音♪】 エフェクターは様々な音を操るためになくてはならない機材なのです。
杉本さんがエフェクターを作り始めたきっかけは、中学生の時でした。 ■杉本優司さん: 「ギターマガジンって雑誌にエフェクターを作ろうみたいなやつがあって/放課後にハンダごて借りて、やって、何も音が鳴らないってのはありましたね」その後も、杉本さんはバンド活動をしながら、趣味でエフェクターを作り続けました。 そんなある時、転機が。 ■杉本優司さん: 「東京の楽器店で働いている知り合いがいて、そこでちょっと置いてみないって話になって。 実際にサンプルを何個か作って試してもらって、これだったら置けるよっていうことで置いていただいて、そこがスタートですね。」 このきっかけもあり、杉本さんは好きなバンドの楽曲名を由来とした「1995fx」というブランドを立ち上げました。 ステージに立ち続けていることが、ものづくりに生かされてると言います。 ■杉本優司さん: 「現場で使えるもの以外考えてないというか、バンドで使った時に扱いやすいとか、いい感じに音が作れるとかっていうのは自分でバンドをやってないとわかんなかったりするので、そういったところは大事にしてます」 回路図の設計を終えると、ハンダづけや塗装まで、すべてを手作業で行います。 プロミュージシャンとのコラボ商品の販売や、海外からも注文を受けるようになった杉本さん。 実はいま、大きなイベントを控えていました。