「めっちゃいい音…」 ミュージシャンを支える「魔法の箱」 札幌在住 注目のエフェクタービルダー
全国に182店舗を構える、日本有数の楽器店・島村楽器。 杉本さんは、島村楽器が行う大型イベントでのブース出店と限定商品の制作の依頼を受けていました。 ■島村楽器青木優汰さん: 「杉本さんなら絶対にいいものを作っていただけるということで、信頼感もあるので是非という感じです。」
いま杉本さんが制作しているのはその限定商品です。 ■杉本優司さん: 「今回のは「parhelion」(パーへリオン)という名前で、幻の日って書いて幻日っていうんですけど。キラキラした音のイメージなので、幻日っていう現象のきらめきみたいなものが、ぴったりだと思って。」 およそ2時間ほどの作業を経て組み上げられたエフェクター。最後はしっかり動作の確認をします。 ■杉本優司さん: 「これで完成ですね」 Q喜んでくれるといいですね 「気に入っていただけるといいんですけど」 イベント直前、杉本さんの準備も大詰めです。
そして迎えたイベント当日。 杉本さんが作り上げたエフェクターがブースに並びます。 ■イベント挨拶:「10時より開店します、よろしくお願いします。」 遂にイベントがスタート。 すると、この日最初に会場に訪れたお客さんは真っすぐ杉本さんのブースへ。 すぐに試奏をはじめました。 ■客: 「めっちゃいいですね」 ■杉本優司さん: 「ありがとうございます、」 ■客: 「めちゃくちゃいいです。デザインとか音が好みの音を出してくれるつくりになっているのがすごい魅力的。」 最初に訪れたお客さんは、この日のために作られた「parhelion」を購入しました。 ■杉本優司さん: 「ちゃんと手に渡ってるんだなというか、ありきたりな感想ですけど。ちょっと緊張しましたけど、ありがたいすね。」 その後も、杉本さんのブースには絶えることなくお客さんが集まり、限定商品は、2日間でほぼ売り切れとなりました。
イベントからおよそ1週間が経ち、杉本さんの家を訪ねると先客が。札幌でバンド活動をする志村拓也さん。 壊れたエフェクターの修理を依頼しにきたとのことです。 ■志村拓也さん: 「こっちのトレモロは繋ぐと音が出なくなる」 札幌のミュージシャンの多くが、困ったことがあると、杉本さんに相談すると言います。 (音が出る) Qもう直ったんですか? ■杉本優司さん: 「直りましたね」 ■志村拓也さん: 「かかりつけのお医者さんのみたいなレベルで、みんなすごい頼りにしていると思います。」
多くのミュージシャンから頼りにされる杉本さん。 そんな杉本さんにとってエフェクターとは、どんな存在なのでしょうか。 ■杉本優司さん: 「魔法の箱って言ってます。回路を作る側としては、もちろん設計があったりとか、いろんな議論が必要になりますけど、使う人の場合は、押せば音が変わるみたいものなので、もう一種の魔法の箱と言っていいと思います。」 札幌の職人が生む、「魔法の箱」。 これからも多くのミュージシャンの足元を支え続けます。
HTB北海道ニュース