マン・C提訴で話題のプレミア「APT規則」とは?大半のクラブが現在の財務規則を支持か
マンチェスター・シティが関連当事者取引(APT)ルールの合法性について訴訟を起こしたことが大きな話題となる中、プレミアリーグの大半のクラブがリーグの財務規則を支持しているようだ。 プレミアの強豪も来日!欧州サッカークラブ来日情報2024|チケット販売日程・放送予定 今季史上初のプレミアリーグ4連覇を達成したマンチェスター・Cだが、ピッチ外でも大きな話題を呼んでいる。『The Athletic』など複数メディアの報道によると、クラブ側はAPTルールがイギリスの商法に違反するとして、プレミアリーグを提訴。自分たちが「差別の被害者である」と主張し、損害賠償を求めていることも伝えられている。2週間に及ぶ審理は6月10日から始まる予定だ。 現行のAPTルールでは、クラブがオーナーと関係ある企業から受け取るコマーシャル収入が独立して「公正な市場価値」と評価される必要がある。この規則は、複数の関連企業を所有する裕福なオーナーが人為的に収入を増大し、PSR(プレミアリーグの収益性と持続可能性に関する規則)を回避することを防ぐ目的で2021年に導入された。『スカイスポーツ』は、仮にATP規則が廃止された場合、各クラブがオーナーと関連する企業と巨額のスポンサー契約を次々に結ぶ可能性もあると指摘している。 しかし『スカイスポーツ』は、プレミアリーグ側はAPTルールを遵守する決意を固めていると報道。さらに大半のクラブは、この規則が廃止された場合に裕福なオーナーを抱えるクラブが際限なく選手獲得に資金を回せることを懸念しているようだ。プレミアリーグでは、所属する20クラブのうち2/3にあたる14クラブが賛成すれば規則を変更できるルールがあるものの、現時点ではルールを覆すために必要な賛成票は集まらないと伝えられている。 なお『スカイスポーツ』のチーフ記者カヴェ・ソルヘコル氏は、今回のマンチェスター・Cの訴訟について「プレミアリーグ王者がプレミアリーグを訴える、前例のない状況だ」としつつ、以下のように続けた。 「2021年に導入されたAPTルールは、クラブがオーナーの関連企業とコマーシャル契約を結ぶ場合にそれが公正な価値でなければならないこと、それを確認するために審査が入ることを意図している。つまり、クラブのオーナーの中で航空会社やエネルギー会社など別の会社を所有していても、契約を結ぶには独立した監査が必要になる。クラブ側が数字をでっち上げ、契約の価値が1億ポンドや2億ポンド、3億ポンドと発表することはできない。公正な価値でなければならない」 「しかし、シティはこれらの規則が違法であると主張する。今回の行動は、明らかにプレミアリーグの将来と競争力のバランスに深刻な影響を及ぼす可能性がある」