松葉づえで参加や手話通訳、障害問わないフットサルリーグ…「喜び合うのが楽しい」引っ込み思案に変化も
初のリーグ戦となる昨季(昨年4~12月)は、大分市と大分県日出町で、総当たり戦(10試合)を実施。エントラーダAチームが初代王者に輝いた。2年目の今季、熊本県のチームは不参加だったが、エントラーダと大分支援学校から参加チームを増やしたことで計7チームとなった。初心者中心の2部も新設。チームに所属していない人も試合に参加できるよう、個人参加も認めている。
2部の審判は、審判資格を持つエントラーダの選手たちが務める。知的障害などがある大分市の得丸鷹良さん(23)は「審判として試合に参加するのも楽しい」と明かした。
各選手が、仲間の障害を踏まえたプレーを心がけるうち、コミュニケーションも深まった。引っ込み思案だった選手が、自発的に話しかけるようになる変化も出た。藤近さんは「チームのことが家庭内で話題に上り、選手のやる気や前向きな変化につながった。リーグでの出会いが、選手たちのさらなる成長につながればうれしい」と目を細めた。
リーグは12月まで。参加希望や問い合わせは、平日の午後5時半以降か土日祝日に藤近さん(080・5217・0220)へ。
広がる活躍の場
九州でもスポーツの世界で、障害者の活躍の場が、広がっている。
サッカーJ2・鹿児島ユナイテッドFCは2019年、知的障害者のサッカーチーム「鹿児島ユナイテッドFCフューチャーズ」を設立。Jリーグのチームとしては2例目で、鹿児島県社会人リーグなどに所属している。
佐賀市では、身体障害者らが、昨年4月に水泳チームを発足させた。月に数回、30~70歳代の男女8人が、約2時間練習している。
大分県パラスポーツ指導者協議会(別府市)の池部純政会長(47)は「東京パラリンピック以降、スポーツをする機運が高まっている。指導者や道具など環境の整備も必要で、自治体や公的機関の情報発信も求められる」と話した。