福井優也(福島レッドホープス)「プロ投手として意地を貫いた野球人生」
~「独立リーグはプロへの通過点」の意味
「プロ野球選手としてのキャリアは12年間で、福島での2年間は入れませんでした」と語る。NPBと独立の両方を知るからこそ思うこともあったからだ。 「独立はプロ野球(=NPB)へ行く、戻るための通過点です。だから独立での2年間はプロのキャリアに入れないようにしていました。そこを入れて自分自身が満足してしまうのも嫌だったからです」 先発を任された昨年は17試合登板、10勝5敗、防御率2.28、110.1回を投げ91奪三振を奪った。今季はリリーフ登板も増え、23試合登板、4勝5敗、防御率6.00、51回を投げ44奪三振に終わった。 「投げようと思えば来季も投げられる。でも NPB復帰への思いが小さくなっているのを感じた。その時点で独立でプレーを続ける意義を見出せなくなりました。中途半端にやるのは嫌だったので引退することにしました」 「プロ野球(=NPB)へ行く、戻ることが難しい」と感じたから福島での現役引退を決意した。
~「一番プロ向きなのは福井」と言う應武篤良監督の評価に応えられた
現役引退する現在だからこそ聞きたかった。早稲田大時代から比較され続けた斎藤佑樹(元日本ハム)、大石達也(西武フォーム投手総合コーチ)のことだ。 「2人には絶対に負けない、という思いはずっと持っていました」 同学年のライバルとして切磋琢磨、大学4年時には秋季リーグと明治神宮大会で優勝を果たした。同年ドラフト1位で斎藤は日本ハム、大石は西武へ入団、同一大学から3投手がドラ1指名という快挙だった。 「斎藤は勝負強さがすごい。1年時から優勝決定試合で投げて勝つなんて普通なら無理。結果を出し続けたから大舞台でも起用されたと思う。大石のポテンシャルはすごかった。球威、変化球のキレなど、絶対にプロで活躍すると思った」 大石は2019年(実働9年)、そして斎藤は2021年(同11年)をもって現役引退。独立を入れれば2024年まで現役を続けた福井は3人の中で最も長く野球を続けたことになる。 「早稲田大・應武篤良監督(当時)が『一番プロ向きなのは福井』と言ってくれた。長く現役を続けられたという意味では、監督の評価と期待に応えられたのかなと思う」 「2人に負けないということの答えが何なのかは、今でもわからない。最後まで現役で投げていたのは僕ですが、それで勝ったということではない。まあベタな言い方ですが、永遠のライバルのような関係性かな(笑)」