オーロラが輝き黄道光が楽しめる3月の夜空、ワームムーンは半影月食を作る
2024年3月は、北半球で星空観賞する人にとっては忙しい1カ月になる。春の訪れとともに、すばらしい空の景色が新たに加わる。水星と月食を同じ夜に見られる珍しい機会があり、オーロラと黄道光がこの季節で最高の姿を見せる。 【画像】2024年3月は黄道光、北極圏ではオーロラ、さらにボーデの銀河と葉巻銀河が楽しめる 2024年3月の星空鑑賞のハイライトを以下に紹介する。 ■1. 黄道光 時期:3月10日頃まで 場所:西の空 3月10日の新月は暗い空を象徴だ。2月29日の下弦の月(真夜中過ぎに昇る)から3月12日の細い三日月までは、空が晴れてさえいれば星空観賞に理想的だ。そして、太陽系に残された宇宙のちりに太陽光が反射する黄道光を見るのにも絶好だ。黄道光を観測するためには、北半球の非常に暗い場所にいる必要があり、日没の1時間ほど後に西の空を眺めると、ついさっき太陽が沈んだあたりに三角形の輝きが見える。 ■2. 最も若い月 時期:3月12日の日没直後 場所:西の空 3月、最も細い三日月を見る最初の人になれるかもしれない。ただし、簡単ではない。この日の日没直後に、輝面比6%のスリムな三日月が西の空に見える。しかし、たちまち沈んでしまう。西の地平線が開けた場所で、まだ明るい夕暮れの空を双眼鏡で探す必要がある。すぐ下には水星があり、上には木星が明るく輝いている。 ■3. オーロラ 時期:3月中、暗くなってから 場所:主に北極圏(66度以北)の北の地平線 3月の春分(世界中で昼と夜の長さが同じになる)は、オーロラがより強く、より頻繁に出現する条件が揃う。しかし、オーロラを見るのに最適な場所はやはり北極圏のアラスカ、カナダ北部、アイスランド、ノルウェー北部、スウェーデン南部、フィンランド北部などとなる。
ボーデの銀河と葉巻銀河
■4. 三日月とプレアデス星団 時期:3月15日の日没後 場所:西南西の空 輝面比31%の三日月が西南西の空に数時間現れ、夜空で最も華やかな散開星団であるプレアデス星団(すばる)のすぐそばで輝く。月の左側には、おうし座で最も明るいオレンジ色の恒星、アルデバランが太陽系から約65光年の彼方で輝いている。 ■5. ボーデの銀河と葉巻銀河 時期:3月中、暗くなってから 場所:北の空 こぐま座とおおぐま座には、20cmの天体望遠鏡で美しく見ることのできる2つの銀河がある。M81(ボーデの銀河)は地球から約1200万光年離れている巨大な渦巻銀河で、夜空で最も明るい銀河の1つだ。M82(葉巻銀河)は同じく1200万光年離れたスターバースト銀河で、星形成が盛んに行われていることで知られている。その星々は望遠鏡の同じ視野内で、おおぐま座のドゥベーの北西にぼんやりとした光の斑点のように見える。 ■6. 水星が東方最大離角 時期:3月25日の夕方から 場所:西の空 小さな惑星、水星を見る2024年で一番のチャンスだ。この日、水星は太陽から東に最も離れた位置(東方最大離角)にある。双眼鏡で日の入の45分後くらいに西の地平線から約9度の低い位置を探してみよう。 ■7. 「ワームムーン」の半影月食 時期:3月25日 場所:東の空 2024年で3番目、北半球の春で最初の満月である「ワームムーン(虫の月)」は「クロウムーン(カラスの月)」や「レンテンムーン(四旬節の月)」としても知られている。この日の月は地球の半影の中を通過する。その結果、微かな半影月食が、北米、南米、欧州、東アジア、オーストラリアおよびニュージーランドで見られる。
Jamie Carter