【毎日書評】「営業」は人生に役立つチャンス。商談がうまくいく3つのテクニック
『できる営業は1年目に何をしているのか?』(菊原智明 著、総合法令出版)の著者は、経営者や営業向けのセミナー、研修、コンサルティング業務を行っているという人物。 営業研修などで1年目の営業スタッフと会う機会も多いようですが、注目すべきは、その大半が「できれば他の部署がよかったけれど、配属されたから仕方ない」と思っているという指摘です。 たしかに、最初から諦めモードに入っている人は少なくないのかもしれません。 しかし、縁あって営業の世界にきたのです。 まずは、営業職に就いたことに対して“私は本当に幸運だった”と思うようにしてください。 なぜなら、営業の知識が今後の人生に大きく役立ってくるからです。 営業力を身につけたあなたは、これからさまざまな恩恵を受けることになります。(「はじめに」より) 目標を達成して自信が持てたり、お客様から感謝されたり、出世して立場が上になったり、給料やボーナスが上がったり──。そういった評価が得られれば、営業スタッフとしての満足感を得ることができるはず。他にも、仕事のさまざまなシーンでいい結果がもたらされることでしょう。 直接モノを販売しなくても“営業力”はさまざまなシーンで活用できます。 結果を出している人は、営業力のすごさを知っていてコソッと使っているのです。(「はじめに」より) しかも結果を出すためのノウハウは、シンプルであり、そして簡単であるようです。誰にでも実行可能な“ちょっとしたこと”だということで、著者はそれらを本書で明らかにしているのです。 きょうは6章「商談編」のなかから、3つを抜き出してみたいと思います。
真剣に話を聞いてもらえる「両面・片面提示」
商品のいいところばかりを説明してくる(片面提示)営業よりも、メリットとデメリットを正直に伝えてくれる“両面提示”営業のほうが好感を持ってもらえるもの。どんなに素晴らしい商品でもデメリットがあるということは、お客様も理解しているからです。 両面提示をトークに応用したものを「デメリット・メリットトーク」と呼びます。 これは文字通り、始めにデメリットを伝え、追ってメリットを伝えるトークです。 始めにデメリットを言うことで「この人は正直な人だ」という印象を与えられます。また、後から聞いたことの方が印象に残るため、メリットがより引き立つという効果もあります。(134ページより) いいことを強調したくなるのは当然かもしれませんが、片面表示でメリットばかりを羅列してしまうと、お客様は逆に「本当にいいことばかりなのだろうか?」「と疑問を持ち始めるもの。しかし、「設置する際に多少費用はかかりますが……」というようにデメリットを先に伝えると、その後に伝えるメリットをすんなり聞き入れてもらえるのです。(134ページより)