下田のジェラート店が都立園芸高とコラボ 規格外果物の活用探る
伊豆の食材を生かしたジェラート店「Gelateria Amore(ジェラテリア アモーレ)」(下田市一丁目)が12月11日、東京都立園芸高等学校(世田谷区深沢)とコラボレーションした期間限定の「スイートスプリング」フレーバーを販売した。(伊豆下田経済新聞) 【写真】「スイートスプリング」フレーバーのジェラート(関連画像10枚) 同校は下田市須崎で農園を運営しており、生徒たちはかんきつ類の育成や収穫の実習を通じて、果物の栽培や管理を学んでいる。今回は同校園芸科1年生の実習として収穫したかんきつのうち、形の悪いものなどをジェラートの材料として提供した。 今回、夏ミカンや清見などさまざまな品種が取れた中で採用されたのは「スイートスプリング」という品種。温州みかんとハッサクの交配によって生まれた品種で、すっきりした甘さと爽やかな香りが特徴。本来スイートスプリングは2~3月ごろに旬を迎えるが、12月のやや早採れとあって、フレッシュさが際立った。 自ら取ったかんきつがジェラートになることを生徒たちに体験してもらおうと、ジェラテリアアモーレ店主の久保田翼さんが、その日のうちに提供されたスイートスプリングをジェラートに加工。翌朝、人数分の約70カップのジェラートを宿泊先まで届けた。余ったジェラートは、期間限定フレーバーとして店頭で販売した。これまで実習で収穫したかんきつ類は、販売したり知人に配るなどしていたが、形の悪いものは廃棄してしまうこともあったという。 今回の取り組みは、同校の教諭がジェラテリアアモーレに来店したことがきっかけ。「かんきつの話を聞いた時に、その場で協力を申し出た」と久保田さんは振り返る。店先で農園の話が盛り上がり、またたく間に今回のコラボレーションが決まった。同店では来店客とのコミュニケーションを大切にしており、そのスタンスが縁を生んだ格好となった。
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