豪華な内装に快適な乗り心地 シトロエン・アミ UK版中古車ガイド(2) アキレス腱はサビ!
購入時に気をつけたいポイント
■ボディ フロントパネルにサイドシル、フロアパン、シャシーの上面、荷室の床面、バンパーマウント、前後のフェンダー、ドアの底面などは特に錆びやすい。エンジンルームを仕切るバルクヘッドや前後のピラー、ルーフとそれを取り囲むリムの状態も要確認。 ルーフパネルは、サルーンのベルリンではグラスファイバー製。ステーションワゴンのブレークではアルミ製となる。化粧トリムは、部品が出てこない。 ■エンジン 水平対向2気筒エンジンでは、ピストンリングの破損と、点火プラグホールのネジ山の欠損に注意したい。アミ・スーパーが積む4気筒エンジンは、かなり珍しい。 1968年式以前のアミには、シングルチョークのソレックスキャブレターが載る。経年劣化で摩耗し、不調を起こすことがある。リフレッシュは可能だ。 ボンネット内にスペアタイヤが載っている。オリジナル仕様の、125 R15のミシュランX タイヤは現在でも入手できる。 ■内装 柔らかく肉厚なシートと、スタイリッシュなドアパネルなどが、シックなフランス車感を醸し出す。しかしシートカバー以外、内装の交換部品を見つけるのは難しい。 ■サスペンションとブレーキ キングピンの摩耗や固着、スプリングとダンパーのサビ、異音がないか確認したい。ブレーキはインボード構造で、アミ6では前がドラム、8とスーパーではディスクとなる。 ■トランスミッション シフトパターンは通常と異なるが、すぐに慣れるだろう。水平対向2気筒エンジンの場合、トップはオーバードライブになる。 ギアの回転を調整するシンクロメッシュの不調で、変速時にギアが噛まないか試乗で確かめる。特に3速が弱いようだ。ベアリングの異音や摩耗にも注意したい。
シトロエン・アミ・シリーズのまとめ
個性的なスタイリングをまとった、驚くほど快適なコンパクトカー、シトロエン・アミ。6と8、スーパーでは性格が大きく異なる。ステーションワゴンのブレークの方が奇抜さは薄く、実用性で勝る。関心を抱いたら、自分にピッタリの1台を探したい。 とはいえ、アミ自体が珍しい。180万台以上が生産されたが、残存例は少なく、一部は交換用部品の入手も難しい。レストア前提で購入しても、必要な部品が揃わない可能性もある。できるだけ状態の良い例を選ぶのが賢明だろう。 ■良いトコロ 機械的にはシンプルで、2CVと多くを共有するため、エンジンやシャシー関係の部品は探しやすい。状態次第では、時間をかけてレストアするという楽しみもある。 ■良くないトコロ 錆びやすく、ボディや内装のトリムは入手困難。状態の良くないアミ・シリーズは、金食い虫になる可能性も・・。