【こんな人】「下克上の男」オイシックス笠原祥太郎の語り継がれる「歴史的な1勝」
<こんな人> 大好きな新潟を盛り上げる-。オイシックスへの入団が決まった新潟市出身の左腕・笠原祥太郎投手(29)が20日、新潟市のハードオフ新潟で入団会見に臨んだ。NPB時代から慣れ親しんだ背番号「47」のユニホーム姿も披露した。 ◇ ◇ ◇ まさに「下克上」が似合う人だ。笠原は関甲新学生野球連盟1部リーグに所属する新潟医療福祉大硬式野球部の出身。13年に佐藤和也監督(現総監督)の下、1期生として大学野球をスタートさせ、創部からわずか3年で3部から1部に押し上げた。 今でも語り継がれる試合がある。16年春。関甲新1部リーグで圧倒的な強さを誇る上武大に1度も勝利がなかったが、そんな強敵を相手に9回2失点で16奪三振を奪う快投を見せ、3-2で勝利する歴史的1勝を挙げた。このシーズン、同大最高の2位で終えた。ここから8年。今もなお、リーグ戦での上武大への勝利はこの1勝のみ。現部員も、この勝利に続く「打倒上武」を掲げ、日々練習に励んでいる。 新津高時代はまったくといっていいほどの無名の選手だったが、佐藤監督の勧誘もあり、大学野球に身を置き、プロ入りまで駆け上がった。「自主性」を重んじる同大で、目指すべき“希望の選手”として、新潟医療福祉大野球部の基盤を作り上げた。 「投げる試合は全部しっかり抑えられるようにしたい」。かつてのし上がっていった大学時代のように、帰ってきた新潟の地で、また輝きを放っていく。【大島享也】