6代目「997ターボ」はターボ効率を上げるため世代途中で3.8Lに【ポルシェ 911ターボ 50周年の道程⑥】
第6世代:997ターボ(2006-2012) かつてないほどのパワーアップ
ポルシェ 911ターボが登場してから今年で50年になる。1973年のフランクフルト国際モーター ショーで初めて一般公開された911ターボ(プロトタイプ)は、レース参戦のためのホモロゲーション取得のために開発されたものだったが、翌1974年市販モデルが発表されるとその高性能ぶりは世界から大きな注目を集め、ポルシェの予想を大きく上回る人気を獲得。以来50年にわたって、「911ターボ」はポルシェ911のハイパフォーマンスの象徴ともなってきた。今回はそんな「911ターボ」の軌跡をたどってみよう。 【写真はこちら】第6世代で再び丸目のフロントフェイスに戻った911ターボ。(全7枚)
997世代の911ターボは、可変タービンジオメトリー (VTG) を備えたターボチャージャーを搭載した世界初のガソリン エンジン量産車として2006年に登場した。 このテクノロジーにより排気ガスの流れ全体をあらゆるエンジン速度で最適に利用できるようになり、排気量は従来と同じ3.6Lのまま、44kW (60ps )もパワーが向上し、最高出力は353kW (480ps)に到達 。最大トルクも560Nmから620Nmに60Nm 増加した。 この世代からオプションで「スポーツ クロノ パッケージ ターボ」も登場。ボタンを押すだけでフル加速時にオーバーブーストを作動させることができるシステムで、これにより、最大10秒間トルクがさらに60Nm増加して680Nmとなった。 また997ターボのデビューの翌年、911ターボカブリオレも登場。そのファブリックルーフは20秒で開閉できた。 さらに2010年には大幅なアップデートが行われ、3.6Lエンジンは368kW(500ps)を発生する3.8Lエンジンに進化。このアップデートにより、最大トルクも30Nm増加して650Nmになった。また、7速デュアルクラッチトランスミッション (PDK) も登場した。 997世代の911ターボは、歴代最高のスペックを持っていただけでなく、技術の挑戦、未来へのビジョンという側面でも大きな意味を持っていた。