＜神・巨＞8回1死一、二塁、森下は同点の適時打を放つ　（撮影・須田　麻祐子）

　◇セ・リーグ　阪神2―1巨人（2024年4月18日　甲子園） 　阪神・森下がまた殊勲打だ。菅野に対して1点が遠いまま迎えた8回1死一、二塁。目前で送りバントを失敗した中野を救った。初球のスライダー。外角低めを引っ張り込み、三塁右を抜いて同点にした。得点圏打率・385（13打数5安打）に上げ、11打点は巨人・岡本和、ヤクルト・オスナと1差のリーグ3位。前夜の決勝二塁打に続き、勝負強さを発揮した。 　「ボールは見えていた。甘い球を真っすぐタイミングで入って、スライダーをうまくさばけた」 　勢いは止まらない。10回無死一塁では追い込まれながら二遊間をしぶとく破る中前打で好機を拡大。佐藤輝のサヨナラ打につなげた。この3連戦で2度目のマルチ安打で打率・217に上昇。開幕から初めて2割台に乗せ、“打率1割クリーンアップ”からいち抜けした。佐藤輝、大山とともに下位で並んでいた打率ランキングの名前も浮上した。 　布石は1、2打席目の四球にあった。初回は2球で追い込まれてから粘って5球目を選び、3回は4球全て外れて一塁へ歩いた。「ボールの見極めがちゃんとできていれば、自分のバッティングのカウントにできる」。オープン戦から目先の結果よりも大切にしてきた“選球力″を継続できているから終盤の大事な場面で生きる。 　「フォアボールが選べるからこそ、相手が投げづらくなってボールが浮いてきたりする。この見極められる状態をキープしていきたい」 　今回3連戦で先行披露したウル虎ユニホームの恩恵も授かった。「こういう、いつもと違う変わったユニホームだと打ってる率が高い」。次回は7月19日から21日までの広島3連戦と同26日から28日までの中日3連戦で着用。「夏は暴れたい」。“緑虎″での活躍を予言して球場を後にした。（松本　航亮）