野菜収穫体験のサブスクが人気 月額3240円で何度でも 愛知県岡崎市
年間50種栽培 収穫の軽減にメリットも
月額の会費を支払えば、何度でも野菜の収穫体験ができるサブスクリプション(サブスク)サービスが人気を集めている。実施するのは、愛知県岡崎市の農園「GGfield(ジージーフィールド)」で、金額は1人3240円。通信販売では味わえない「体験」を、いつでも、何度でも楽しめるのが魅力となっている。同農園の取り組みに影響を受け、全国でも同様のサービスを展開する動きが出ている。 農園を運営するのは、同県豊田市の松本直之さん(46)。同市と岡崎市で計1ヘクタールの畑を持ち、年間約50種類の野菜を栽培し、旬の野菜の詰め合わせセットを契約する全国の消費者に発送している。しかし近年は、配送コスト上昇による利用者の負担増、競合事業者の増加などの課題が出ていた。 新しいサービスは昨年4月下旬から、岡崎市にある畑25アールで始めた。4、5月はエンドウマメやダイコン、レタス、赤カラシナなどが収穫できる。それぞれの畑には札を立てて、ソラマメの場合「へたを切る」などと収穫方法を紹介する。 利用者は近隣市町村だけでなく、車で高速道路を使って1時間ほどかかる同県岩倉市や春日井市などからも訪れるという。松本さんは「家族連れが多い。体験や地元の新鮮な野菜の価値を感じてもらえた。子どもがおやつ代わりに野菜を食べるようになったという声も届いている」と話す。 サブスクには、定期的な収入が得られる利点があり、松本さんは「やり方次第では10アール当たりの年間収入が100万円を超えることも可能」と説明。収穫・調製・発送にかかる労力が削減できるメリットもあり、「作業時間を6割削減できる」という。 松本さんの取り組みに影響を受け、県内や埼玉県の農業者が同様のサービスを始めたという。
日本農業新聞