滝藤賢一×東野絢香×名村辰による“本物”を問う物語 『うつくしい靴』12月21日放送
特集オーディオドラマ『うつくしい靴』が、NHK-FMにて12月21日22時より放送される。 【写真】『虎に翼』“家裁チーム”名村辰、松川尚瑠輝オフショット 本作は、『夜が明けても』でフジテレビヤングシナリオ大賞佳作を受賞した新進気鋭のライター・本山航大によるサスペンスフルヒューマンドラマ。スニーカーの真贋鑑定に絶対の自信をもつ男が「本物よりうつくしい偽物」に心奪われたとき。選ぶのは、本物か、偽物か。一方、偽スニーカー作りに並外れた才能を発揮してしまう天才革靴職人の女性が抱える葛藤とは。「うつくしい靴」に導かれるように出会い、対峙した二人の運命は。近年、大きなブームとなると同時に、転売や偽造品の横行が尽きない「スニーカー」。大量生産・大量消費の時代に、ものづくりにおける「本物」の意味を問い直す。 スニーカーショップ店主・柊大和を滝藤賢一、自分の技術には絶対の自信を持っている革靴職人・冬月歩稀を東野絢香、歩稀の小中学校の友人・灰山侑を名村辰がそれぞれ演じる。NHK連続テレビ小説『虎に翼』も手がけた森優太が音楽を担当する。 コメント ●滝藤賢一(柊大和役) 初めてのオーディオドラマでしたので、新人のつもりでやらせていただきました。 声だけで表現することは、未知の世界で不安でしたが、監督はじめスタッフの皆様、そして、東野さんはじめ共演者の皆様から刺激を受けまくり、楽しく臨ませていただきました。 自分のやりたいこと、夢と真剣に向き合っている人なら、誰もが直面するようなセリフやシーンの連続です。 私も脚本にいたく 共感し、唸りました。まさに私も真っ只中です。 この苦しさ、葛藤は自分だけではないのだと知り、心が少し軽くなりました。 少しでも多くの方に『うつくしい靴』を聞いていただきたい。今はそんな思いであります。 ●東野絢香(冬月歩稀役) 人生で初めてラジオドラマに参加させて頂きました。 家を出た時と同じ着慣れた服に包まれたまま収録が始まり、目の前では滝藤さんがたっぷりの包容力でお芝居をしてくださって、手元にはすてきな台本があって、休憩時間にはお世話になった人達が様子を見に来てくれたりして、 なんだかたくさんのものに守られてるような、特別な時間でした。 皆さまとの距離が近い、いい作品になっていると思います。 是非、たくさんの方に聞いてほしいです。 ●名村辰(灰山侑役) 灰山侑役で出演させていただきます名村辰です。 少し前に、とあるイベントに行きました。視覚障害をお持ちの方の案内のもと、完全に真っ暗な空間を冒険するというものです。そこで、自分が日常いかに、目からの情報に頼って生活しているかということを実感しました。 ラジオドラマは聴覚のみに訴えて想像力を刺激する、とても面白いエンタメだと思います。今回は、「美しさとは?」というテーマの物語に、俳優として共感する部分がとても多く、尊敬する役者の方々とこの作品に挑めた時間がとても幸せでした。 ぜひ目を閉じ、耳を傾け、このドラマの世界をお楽しみいただけたら嬉しいです! ●本山航大(脚本) ものをつくる腕と、ものを見る目。 その両方が高いところで拮抗したとき、“本物”が生まれるのかもしれません。靴職人の歩稀がつくった靴のうつくしさを、バイヤーの柊だけはわかってくれる。そして目の肥えた彼を意識するからこそ、歩稀はよりよいものをつくろうとする。そんなふうに、靴を通して結びついたふたりの関係性を大事にしながら書きました。 収録にお邪魔した際、それぞれを演じてくださった滝藤さんと東野さんの、繊細ながら力強い掛け合いに圧倒されっぱなしでした。出演者やスタッフのみなさまとのご縁に恵まれ、とても思い入れの深い作品になっています。歩稀がどんな靴をつくるのか、想像しながら聴いていただけるとうれしいです。 ●森優太(音楽) 音楽を担当させていただきました、森優太と申します。 靴に関わる音を活かした、効果音のような音楽、音楽のような効果音。そして個性豊かな役者さん達の声。それぞれ混ざり合う時間。 自分にとってオーディオドラマは初となりますが、本山さんの深く鋭く優しい物語に導かれて、耳が頼りだからこそできる表現をチームで話し合いながら作っています。 どうか一人でも多くの方に、この世界を味わっていただけたら幸いです! ●田島薫(演出) 劇中でこんなセリフがあります。 「よく売れるけどありきたりなものと、あまり売れないけど優れたもの、どちらに価値があると思いますか」 いろんな答えがあると思います。絶対的な正解を探す前に、ものの価値ってなんだろう、ものが存在する意味ってなんだろう―。自分や仕事に置き換えてもいい、あらゆるものの根っこを考えるきっかけになればと思いながら、このドラマを作っています。物を書く職人、音を奏でる職人、音を録る職人、そして役を演じる職人…それぞれが丹精込めてつくった作品であることは間違いありません。映像がないオーディオドラマだからこそ、思いつくまま自由に想像しながら、この世界を独り占めしていただきたいです。
リアルサウンド編集部