松田龍平、“あえて”台本を忘れる? 奈緒は「緊張しないようにしてくださった」と気遣う
ドラマ10『東京サラダボウル』完成試写会と出演者会見が12月10日にNHK放送センターで開かれ、主演の奈緒、共演者の松田龍平、制作統括の家冨未央が登壇した。 【写真】「笑顔ください」の記者の呼びかけに奈緒の顔を覗き込む松田龍平 本作は、ミドリ髪の警察官・鴻田麻里(奈緒)、ワケあり中国語通訳人・有木野了(松田龍平)の “胃の合うふたり”の新感覚警察エンターテインメント。『クロサギ』の黒丸による原作漫画『東京サラダボウルー国際捜査事件簿―』を実写ドラマ化している。 今回の会見に併せてメインビジュアルが公開になっており、劇中では上司の飯山修(皆川猿時)から「レタス頭」と揶揄される、そのミドリ髪の奈緒の姿が目を引く。会見でもこのミドリ髪について最初に質問が飛び、奈緒は「カツラです」と冗談を挟みながらも、地毛だと明かす。このミドリ髪は、鴻田のパーソナルな部分に関わってくる大切なビジュアルのため、どのような色味にするか、奈緒より先に監督が自ら髪を染めて検証を重ねていたという。奈緒が髪を緑に染めるのは初めて。挑戦的なカラーになると思っていたが、「結構いいんじゃないかなと思います。 思いのほか緑が馴染んでると、今たくさんお声をいただいてるので」と奈緒自身もお気に入りの髪色になっているようだ。 第1話のサブタイトルは「サソリと水餃子」。新宿の街中でサソリの丸焼きを食らい、中国料理店ではいわゆる“ゲテモノ”と呼ばれる料理を注文する鴻田に対して、有木野は彼女のノリについていくこともなく水餃子を注文。このサブタイトルがそのまま鴻田と有木野のバディを表している。「なかなか重ならない2人で、タイプが違うのが面白い」「言葉にできない関係性がすごく好きなんですよ。当人同士にしか分からない間柄が、世の中にはいっぱいあって、どれにも当てはまらないような2人の関係性が魅力的」だと奈緒は、鴻田と有木野のバディを解説する。 中国料理店での撮影では、替えの料理を用意されているのにもかかわらず、芝居中に本物のゲテモノ料理を“食べてしまった”場面もあったという。「なんのドラマ撮ってんだろうってくらい、食べカットを撮っていた」と第1話以降も食事シーンが多数登場することを松田が示唆すると、「ポスターでもケバブ持ってますからね」と奈緒が会見に用意されたビジュアルポスターを指差していた。 第1話では日本語と同率、もしくはそれ以上というくらいに中国語が飛び交っている。それを通訳するのが、松田が演じる有木野の仕事だ。中国語は初めて勉強したという松田。通訳として中国語を聞いて日本語に訳すという一連の動作が難しいようだ。 フォトセッション中も、「笑顔ください」という記者の呼びかけに松田が奈緒の顔を覗き込むなど、仲の良さが滲んでいた2人。奈緒は松田と気が合うなと思ったエピソードに、初日の本読みで肝心の台本を忘れてしまっていた松田を見て、気が合いそうだと思ったという。奈緒が「緊張しないようにそうしてくださったんですよね?」と気遣うと、松田が気まずそうに「そうです。忘れてみるもんだな……(笑)」と奈緒の優しさに感謝を示していた。 奈緒は原作漫画、及び今回の『東京サラダボウル』を「いろんなボーダーを乗り越えようとしている姿を描いた作品」と表現した。現在も撮影中のこの作品を通じて奈緒は、「いろんな国の方たちとご一緒して、その国に焦点を当てた話が重ねられていくので、知らなかったことを知れるというのが、この作品の魅力なのかなと思います。新しいことを一つでも知れたことで、明日の自分が今日の自分より少しでも優しい方向に向かえられたんじゃないかと私は思っています。自分の無知が恐ろしくなる瞬間もありますが、それがこのドラマを観ていただくことで優しさに繋がっていくと思います」と『東京サラダボウル』の核たるメッセージに触れた。
渡辺彰浩